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ギザギザハートの子守唄
第一章
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れで今回は終わりだった。悪びれない態度を保ったまま帰っていると校門のところで俺と同じような格好をした連中が待っていた。皆俺の仲間だ。
「よお」
「ああ」
 俺はそいつ等に笑顔で応えた。応えながら手をあげてみせる。
「随分時間がかかったな」
「鬼熊に投げられていたな」
「まあな」
 あの先公の名前は熊本だ。それが鬼熊になってるってわけだ。
「何でもないさ」
「投げられてもかよ」
「また随分と強気だな」
「幾ら投げられても平気なんだよ」
 俺は言いながら懐から煙草を出した。安い百円ライターで火を点けて早速吸いはじめる。煙草の味が妙に口の中に滲みた。そんな感じだった。
「投げられても喧嘩は止めないからな」
「それと酒と煙草もか」
「ああ、止めないさ」
 それが俺のポリシーだった。とにかくこの三つはやるが他はしない。俺もこいつ等もそれは絶対に守っていた。そこはしっかりしているつもりだった。
「その三つはな」
「真面目だねえ、俺達」
「そこいらのゾクよりもな」
「大概のソクはあれだろ」
 俺は夕日の街を仲間達と横一列になって歩いていた。その中で話していた。やっぱり煙草は口から離しはしない。そのままだった。

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