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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epos8選択の刻〜Resolve〜
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実だ。いま治したところで“夜天の書”が存在し続ける限りはやての侵食は再開される。そのたびにエイルを掛けてもいいが、それでは“闇の書”事件という話が始まらない。だから俺は、はやてに魔法はかけない。

「そんな・・・、そんなのってねぇよ・・・。あたしらが消えねぇとダメなのかよ・・・?」

久しぶりに見るヴィータの絶望に満ちた表情。そこにシグナムが「それは最後の手だな」と、自分たちの消滅を視野に入れていることを思わせる一言を漏らした。しかしシグナムは「あくまで、だ」と言い、胸元から首から提げていた待機形態である“レヴァンティン”の首飾りを取り出した。そして意を決したかのようにヴィータ、シャマル、ザフィーラと順繰りに見た。

「私はかつて、守護騎士の将として主はやてとある誓いを交わした。我々の務めは主はやてと共に家族として過ごすこと、戦闘などの危険行為は禁止、と。だが私は・・・」

「主はやてがため、誓いを破らざるを得んか?」

言葉を途中で区切ったシグナムにザフィーラが問う。

「主はやての体を蝕んでいるのは真の覚醒を果たしていないことで起きている、言うなれば闇の書の呪いだ」

「ふむ。侵食を消失させるには、いや少なくとも止めるには真の主として覚醒すればよいのか」

「ああ。おそらく望みはそれだけだ」

「闇の書を完成させればはやてを助けられるんだな!? じゃあ今すぐ完成させに行こう!」

ヴィータも待機形態の“グラーフアイゼン”を手に取り、すぐにでも飛んで行きそうな勢いだ。シャマルも泣き止んで「完成させましょう、闇の書を」と凛とした面持ちで告げた。

「で、だ。ルシリオン。お前を呼んだのは他でもない。我々はこれより闇の書完成を遂行するため家を空けることが多くなるだろう。その間、主はやてのお傍から放れないようにしてもらいたいのだ」

シグナムにそう言われ「なんだ、俺は仲間はずれなのか?」と不満そうに言う。と、「お前、なんでそんなに冷静なんだよ・・・!」ヴィータが俺の様子に今さら疑問を持った。俺は言葉で答えるより先に“ブレイザブリク”より今まで回収してきたリンカーコア、約200を見せる。シグナム達はそのリンカーコアの多さに目を大きく見開いて驚いた。

「お前は・・・知っていたのか? 主はやての麻痺の原因が、闇の書の呪いだということを・・・!?」

「・・・・知っていた」

シグナムにそう答えると、真っ先に「てめぇっ!」ヴィータが俺の胸倉を掴み上げてきた。

「知ってたんなら、なんで言わなかった!」

「ヴィータちゃん!」「ヴィータ!」

シャマルとシグナムによって引き剥がされたヴィータは「なんでだ!」と怒鳴るのみ。

「言ったら信じたのか? はやての麻痺は君たちが原因だと。いや、違う。俺は言
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