第二話 俺とポニーテールの悪魔事情
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ま二階よりもさらに上のどっかに行っちまうかとヒヤヒヤしたが今のような姫島先輩からのフォローで、俺の首はまだ繋がってるって訳だ。マジ助かった……。
「なるほど……でもな、私はまだ腑に落ちねぇんだよ」
「な、なにがだ?今の話で別におかしいことは――」
「――穂斑、お前、女が苦手だったよな?なのにその人を助けたってのはどういう訳なんだ?普段のお前なら不良に絡まれてるのがたとえ学校一の美少女だろうが美人タレントだろうが知らん顔で無視してる筈じゃねぇか?」
――っ。さすが俺のチート姉……そこらの奴なら気にも留めないようなとこにも食いつく……。もう弁解のしようがねぇな……。俺が諦め気味に――信じてもらえないだろうが――話そうとすると――。
「隠しても仕方ありませんね……。実は私たち、付き合っているんです」
……えっ?今、なんつった?突然の突飛な発言に、俺はおろか姉貴、穂乃実も固まっている。それを気にせず姫島先輩は続ける。
「先週から付き合い始めたんです。まだ日が浅いので他の人たちには隠そうと思っていたのですが、ウフフ。『穂斑』くんのお姉さんは勘が鋭いですわ」
「そ……そう!付き合ってるんだよ俺たち!いやもう少ししたら話そうと思ってたんだけど、こうなったら隠せないもんな!うん!」
「……お前と、その人が、付き合ってると?女が苦手で泣かせたことしかなくて恋愛の『れ』の字と果てしなくかけ離れたお前が、こんな美人と付き合ってると、そう言うんだな?」
全力で首を縦に振る俺。姫島先輩は変わらず柔らかい微笑みを浮かべてる。しばらくして姉貴がでかいため息を吐く。ヤベッ、やっぱバレたか!?そう内心かなり不安になっていると姉貴は――テーブルに手をついて頭を下げた。
「――弟を、よろしくお願いします!!」
「……は?」
「見ての通りのバカで年上の人にも言葉の利き方もなってないようなバカな弟です。ですがそんなバカをあなたみたいな美人で優しそうな女性がもらってくれるなら安心です!どうか私からもお願いです、弟と付き合ってもらえないでしょうか!?」
「ウフフ、こちらこそ認めてもらえて光栄です。聞けばお姉"さま"は元プロバスケ選手と聞いております。そんな素晴らしい女性の弟さんとお付き合いできるのですから、私も嬉しいですわ。弟さんのこと、お任せください」
"お姉さん"から"お姉さま"になってる!?ちょっと言いすぎじゃ、って姉貴も顔赤くしてまんざらでもねぇ顔してやがる!言いくるめられんの早ぇだろ!?
「お、お姉さまだなんて……へへっ」
キ、キモっ……。あの姉貴が顔赤くして照れてるよ……。普段ならありえねぇ光景だ……。
「穂斑、こんないい人がお前をもらってくれるんだ。お前も大事にしろよ?」
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