第二章 [ 神 鳴 ]
二十七話 神々の戦 終幕
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出した。
「強欲」
強欲呼び出した僕はその黒炎に向け飛び込み太刀を叩きつける。すると黒炎は強欲の刃に溶け込むように吸い込まれていく。
それと同時に僕の中に言い表せない何と言うか気持ち悪い感覚が広がっていた。予想通り強欲の略奪能力は祟りにも有効だった。でも今まで色々力を略奪してきたけどこんな気持ち悪い感じは初めてだ。コレ取り込んでも大丈夫なのかな?………まぁ今はそんな事どうでもいいか。
「神狩!?何の真似だよ!」
後ろの方で須佐之男が騒いでいる。僕は視線だけ後ろに向けて、
「さっきの神奈子の宣言聞いてたでしょ?戦は君達の勝ちだよ。僕はこれから諏訪子を元に戻さないといけないんだ、邪魔だからどっか行ってくれるかな?」
そう言い放つ。それに須佐之男が言い返そうとした所を天照が手で制した。
「荒御霊に堕ちた神を救うと?できる訳がありません。――――まぁ貴方がアレの相手を引き受けてくださると言うのであれば任せましょう。精々頑張る事ですね、下がりますよ須佐之男」
それだけ言うと天照はこの場から離れていく。その後を須佐之男も付いて行った。二人が離れたのを確認して僕は視線を正面に戻す。
目の前には唸り声を上げて今にも襲い掛かってきそうな雰囲気を纏う大蛇。どうやら目標を僕に変えたらしい。多分諏訪子の理性は働いていないのだろう、最早暴獣だな。
僕は当初の予定通り力尽くで行く事にする。
やる事は単純だ。あの大蛇を強欲で斬り裂いて核になっている諏訪子の意識を絶つ、ただそれだけ。
あの大蛇の身体は神力の塊だから斬っても諏訪子に危険は無い、筈だ。痺れを切らしたのか突如大蛇が動く。
顎を広げ僕を噛み砕こうと三つの首が三方向から襲い掛かり、それを避けた先に黒炎が吐き出された。
その黒炎をさっきと同じ様に吸収し大蛇の懐に入ろうと近付くが残っていた蛇達がそれを阻むように襲い掛かる。
迫ってきた蛇の一つに太刀を振るい首を叩き斬るが、落とされた首は瞬時に再生し再び顎を広げた。
やっぱり一気に胴体を斬らないと意味が無い。それに無駄に再生させると諏訪子の限界突破が早まってしまう。
ヴォォォォォォォォォォ!!!!!!
突然大蛇が咆哮したかと思うと大蛇の身体を地中から這い出た幾十もの黒い鎖が伽藍締めに拘束していた。ルーミアの援護だろう。
それを見て僕は一気に大蛇の胴部目掛けて空を翔ける。鎖の拘束は見る間に引き千切られていくが僕が接近するには十分すぎる。
僕は太刀を上段から一気に下に振り下ろし大蛇の胴部を斬り裂くとその内側で暗闇に浮かぶ様に漂う諏訪子が見えた。
その暗闇に強欲を突き立て諏訪子の周囲の祟りを吸収し
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