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東方虚空伝
第二章   [ 神 鳴 ]
二十七話 神々の戦 終幕
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ていた僕の背中にそう神奈子が言葉を吐く。僕は神奈子の方に振り向きながら、

「…そうだね無駄な事かもね。でもやらないよりはやった方がいいでしょ?もしかしたら奇跡が起こるかもしれないしね」

 いつもの様にヘラヘラ笑いながらそう答える。そして今度こそ諏訪子が荒れ狂っている所を目指して飛び立った。




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 目的地に辿り着いた僕が見たのは、いまだに八つの首を狂ったように暴れさせる黒蛇と対峙している傷だらけの大和の二神、そして少し離れた地上に座り込んでいるルーミアだった。
 僕はとりあえずルーミアの所まで行くことにする。

「ルーミアよかった無事だね。ちょっと手伝ってほしいこ「虚空!あんたどういうつもりよ!降伏するなんて!何考えてるのよ!!」

 僕が話し掛けた瞬間、ルーミアは僕の胸倉を掴み上げ罵声を浴びせてくる。まぁ無理もない、事情を知らない者からしたら当然の反応だ。

「…降伏の理由は勝機が無くなったから。負けるなら綺麗に負ける方がいいでしょ?これ以上無駄に被害を出さない為に」

「…勝機が無くなった、ってどういう事よ?」

 疑問を投げかけるルーミアに僕は神奈子とのやり取りを掻い摘んで説明した。



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「――――多分もうあまり時間が無いから、助けられるかは分からないけど協力してルーミア」

 僕の説明にルーミアは納得していない様だったが渋々と言う感じで頷いた。

「…何をすればいいの?」

「何時仕掛けるかは任せるからどんな手段でもいいから諏訪子の動きを止めてもらえるかな」

「分かったわ…でもあんたがやろうとしている事は諏訪子にとっては裏切りよ。過ぎた事だけど本当によかったの?」

 ルーミアは言ってる事は間違っていない。僕のした事はあの子にとっては裏切りだ。

「…僕は天秤にかけたんだよ、“諏訪子が守りたいもの”と“諏訪子自身”を。どっちか選ばないといけなかったからね、そして僕は諏訪子の命を選んだ。それが裏切りになるんなら構わないし祟られたって文句は言わないよ。自分の選択に…いや、我侭に後悔はしていない」

 ルーミアにそれだけ言って僕は荒れ狂う大蛇を目指した。





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 天照と須佐之男は諏訪子の状態を理解しているらしく逃げの一手だ。それはそうだろう放って置けばその内消滅するのだから無理に攻撃する必要も無い。
 だが大蛇の攻撃は熾烈を極め大和の二神を追い詰めていた。そして二神に向け大蛇の一匹が口から黒炎を吐き
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