第二章 [ 神 鳴 ]
二十七話 神々の戦 終幕
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間違っても…あんた達の負けなんだよ…諦めて降伏しな…指揮官なら…」
完璧な王手、この戦もう僕達に勝機は無い。ならしなければならない事を考える。
「降伏する代わりといっちゃ何だけど…ねぇ神奈子僕と取引しない?」
僕の言葉に神奈子は疑わしそうな視線を向けながら応える。
「…取引だって…ハッ!こっちの勝ちは…もう決まってるんだよ…取引の意味も無いし…あんたにも交渉材料は無いだろう…」
神奈子は僕を嘲笑をしながらそんな事に言った。確かに神奈子の言う通りもう僕達に勝機は無い。負けが確定した相手と取引する馬鹿などいないだろう。でも神奈子は一つだけ勘違いをしている。
「……僕の要求は“諏訪子を含む全ての諏訪の神達の身の安全”だよ。もしこの要求を受け入れないのなら……此処で君を殺した上で僕は自分の持てる全ての手札を使って死ぬまで大和の軍に損害を与える続ける」
「!?」
僕の言葉に神奈子は驚きの表情を見せた。神奈子は別に自分が殺される事に驚いた訳でも、僕が大和の軍に特攻する事に驚いた訳でもなく、その行動の意味する事に気付いただけ。
諏訪は、僕達はここで負ければ全て終わりだ、この先に何も無い。でも大和は違う。
「今大和の軍に出ている損害だって想定外のものだよね?これ以上の損害は出したくない筈だ。この先、もしかしたらすぐ次の戦があるかもしれない、でも君を失い、戦力の半数以上を失った大和に戦に堪える力は残るのかな?……だからこその取引なんだよ、どうするの神奈子?」
このあとの諏訪の神達の処遇が分からない以上身の安全を確約させなければいけない。僕は刀の刃を神奈子の首筋に触れさせながら真っ直ぐに神奈子の瞳を見つめる。
神奈子は僕の視線から逃げる様に目を閉じ黙考した。そして目を開き僕を見つめ返しながら、
「………いいだろう、その話飲んであげるよ。…あんた本当に人が悪いね」
「褒め言葉として受け取るよ。じゃぁ早速お願い」
僕の催促に神奈子は座った状態で右手を上に向ける。すると一本の御柱が現れ上空に向かって飛び上がっていく。そして一定の高さまで上がると砕け散った。
『大和及びに諏訪の軍に告げる。我は大和軍総司令八坂神奈子。先程諏訪の司令官より降伏の申し入れがあり我が大和はそれを承諾した。よって此度の戦は我が大和の勝利と成った。故にこれ以上の戦闘行為は無意味である。両軍即座に戦闘を止め軍を退くがいい』
なんらかの術法なのだろう戦場全てに神奈子の声が響き渡っていく。これで本隊の方は大丈夫だろう。
後は諏訪子だ。手遅れになる前に何とかしないと。
「…荒御霊に堕ちた神は助からない…洩矢はもう終わりだ…何をするつもりかは知らないが…無駄な事だよ…」
諏訪子の所に向かおうとし
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