第二章 [ 神 鳴 ]
二十七話 神々の戦 終幕
[4/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
。その二人に向け大蛇は再び猛威を振るう。
噛み砕こうと顎が、祟り殺そうと口から黒炎が、首を鞭の様に撓らせて暴れまわる。
一方的な蹂躙。圧倒的な力に嬲られる大和の二神。しかしそれを見ているルーミアには何故か不安が募っていく。
「……凄い…けど、どうして嫌な予感しかしないの?」
ルーミアの視線の先では無秩序に暴れまわる八つ首の蛇が咆哮を上げていた。荒々しい雄叫びではなくまるで慟哭の様に。
□ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■
神奈子との決着がついた時、凄まじい神力と禍々しい気配を感じた僕は視線を巡らせそして遠目に黒い八つ首の大蛇を捉える。
「!?……諏訪子?」
その大蛇から何故か諏訪子の神気を感じるのだ。それに何だこの神力の強さは。あれが諏訪子だとしてもこんな力が残っている訳が無い。酷く嫌な予感がする。
「……ハ、ハハ…ハハハハハッ!!」
突如上がった笑声の方に視線を向けると倒れていた筈の神奈子が傷を押さえながら上体を起こしていた。
どうやら自分に治癒をかけているようだがあの傷はかなり深い為苦しそうに荒い息を吐いている。
それでも痛みに顔を歪めながら可笑しそうに笑っていた。僕は地上に降りて神奈子のもとまで歩を進めると神奈子の首筋に刀の刃を当てる。
「………何がそんなに可笑しいのかな?僕にも教えてくれるかい?」
そんな言葉を神奈子に投げかけると神奈子は不思議そうな顔をした後僕を嘲るように笑みを浮かべる。
「…本気で言ってる…訳じゃないよね…あんたも薄々気付いてるんじゃ…ないのかい…」
神奈子の言う通り僕は今の諏訪子の状態に確信に近い憶測を立てていた。立場の違いだろう僕には笑えない事だけど。
「…荒御霊…」
僕は一つの単語を呟く。
「…ご名答…あたしも神だからね…今の洩矢が荒御霊に堕ちているのがよく分かるよ…。自分の限界を超えての神力の行使…一時的に凄まじい神力を得る事ができるが…その末路は…器の崩壊、つまりは消滅……何があったかは分からないけど…荒御霊になった以上洩矢は終わりだ…つまりあたし等の勝ち…そして……あんた達の負けだ…」
荒御霊に堕ちた神は間違いなく消滅する。諏訪子の死が確定した以上僕達の負けだろう。でも、
「それはどうかな?諏訪子が今戦っているのは天照だろう?天照が死ねば君達も終わりじゃないか」
そう、大和の大将である天照が先に倒れれば事実上こっちの勝ちだろう。そんな僕の台詞に、
「…残念だったね…天照様が御倒れになってもその席は弟である須佐之男が継ぐよ…そして仮に須佐之男が倒れたとしても…天照様の妹の月詠様が継ぐだけ…どう
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ