第二章 [ 神 鳴 ]
二十七話 神々の戦 終幕
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ほどの行動だがこの状況では最良だと割り切り行動に移した。
「………そうね、この状況じゃ降伏する方が賢い選択よね……じゃぁはっきり言ってあげる……お断りよ!!」
そう叫ぶと同時にルーミアから漆黒の闇が広がり天照や須佐之男ごと周囲を暗黒に閉ざす。一切の光を許さない絶対の黒の世界。の筈だった。
その世界を圧倒的な輝きが切り裂いた。それは一切の闇を許さない太陽の輝き。天照から放たれた光が一瞬にしてルーミアが生んだ暗黒を掻き消してしまった。
「愚かですね、貴方如きの闇など太陽である私の輝きの前では朝霧と同じ。無駄な抵抗など……?」
天照の視線の先にはルーミアは居らず黒い繭の様なものに包まれている諏訪子がいるだけだった。
逃げた?天照は一瞬そんな考えに耽ってしまう。そこに、
「姉貴!!上だ!避けろ!!」
須佐之男の叫びが響く。そして天照が視線を上に向けるとそこには剣を大きく振りかぶり斬りかかろうとしているルーミアがおり、剣からは闇色の猛火が猛り実に五十メートル近くの刃を造り上げていた。
「斬り裂けーーーーーッ!!!!」
「っ!?なめるな!穢れが!!!」
ルーミアはその巨大な刃を天照目掛けて振り下ろし、天照は太陽と化し振り下ろされた脅刃を受け止める。
しかしその太陽は消耗により諏訪子と戦った時より格段に小さく三十メートルも無い。闇の刃は敵を斬り裂かんと紅蓮の塊に食い込み、太陽は脅刃を砕かんと激しく猛る。
永い様で短い漆黒と紅蓮の鬩ぎ合いはガラスが砕ける様な音と共に決着した。闇の刃は砕け散り、紅蓮の太陽は粉砕する。互いの攻撃は相殺した。
しかしルーミアの攻撃は止まっておらず天照に向けダーインスレイヴが迫り、その一撃が天照を捉えたかに見えた瞬間ルーミアの腹部を須佐之男が放った一本の剣が貫き、そのせいで振り下ろした刃は天照の額を浅く斬っただけだった。
「ガッ!ハッ!く、くそ…」
賭けに負けた、終わりか…ルーミアはそんな事を考えながら地上に落ちていく。
「お、おのれ!穢れの分際で!!」
天照は額の傷を押さえながら憤怒の表情で落ちていくルーミアを睨みつけ止めを刺すために火球を造り出す。
「往生際が悪ーぞ妖怪が!!」
須佐之男も天照に合わせるように数本の剣の造り出しルーミアに狙いを付ける。落ちていくルーミアに天照と須佐之男が止めを刺そうとした時、得体の知れない気配が周囲を支配した。
「「「 !? 」」」
その場に居た三人が同時に気配の中心地へと視線を向ける。そこにはルーミアが施した繭を破った諏訪子が幽鬼の様に浮いていた。
「……………」
諏訪子は俯きながら何かをブツブツと言っているが少し距離があるため三人には聞こえていない。
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