暁 〜小説投稿サイト〜
SAO<風を操る剣士>
第一部 --SAO<ソードアート・オンライン>編--
第六章 《圏内事件》
第45話 リズのお願いクエスト2
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が物凄い速さで2分ほど走ってくれたおかげか、螺旋階段も残りあと一周の3/4ほど。シュウさんがこのままのスピードを維持していけば一分もかからずに登り切れるはず……なんだけど……。
 しかしそのシュウさんのスピードですら崩壊のスピードにはかなわない。なんといっても、もう15分は過ぎているのだから。普通だったら階段の下の方でタイムアップをむかえたあたし達は、すでに死んでいてもおかしくない。
 でもそれでも生きている。
 理由は、あたしやシュウさんのレベルがこのクエストの平均より高いのと――シュウさんが見つけた《システム外スキル》のおかげなんだと思う。
 つまり、今現在あたしやリズさんが生きているのは、シュウさんが頑張ってくれているおかげとも言える。
 こんな凄い人にあたしは今お姫様抱っこをしてもらって、しかもシュウさんの必死な顔が見えるわけで……こんな状況ということは分かっているのはいるだけれども、どうしてもあたしの心臓は鼓動を加速させてしまう。
 ――と、あたしが心境と戦っていると、あと螺旋階段も1/2ほどになった時、シュウさんの走る床に亀裂が入り始める。
「シュ、シュウさん!」
「シュウ!」
 あたしとリズさんの声が重なる。
 そんなあたし達にシュウさんは、
「跳ぶぞ!」
 そう言い、なんと階段から穴の方へゆっくりと近づいて(《体重移行》使用中は急には曲がれないから)、それから――
「いっく、ぞぉーーー!」
 そう言い気合を入れて、階段から穴に向けて跳び込んだ。
 ……いや、正確には違うのかもしれない。多分シュウさんは『入口へ跳んだ』んだ、と改めて考え直す。
 確かに螺旋階段の構造上、1/2くらいまでくれば斜め上側には入口が見える。
 でも……
(いくらなんでもこの距離を跳ぶのは無茶ですよぉーー!)
 そう叫びたくてもあまりの事で声が出なく、シュウさんに必死に捕まることしかあたしにはできなかった。
 そしてあたしが必死に捕まった人……つまり跳びこんだ本人であるシュウさんは、クルッ、とさっき跳んだ場所――後ろへ振り向く。
 なんでこんな事をするのか、と一瞬疑問に感じたけど、すぐにその答えが分かった。
 正確には光っている剣を見て分かった。
「うぉらぁっ!」
 シュウさんはそんな声を出して、ソードスキル特有のライトエフェクトが輝く剣を頑張って大きく空中で振る。
 すると――ブォーー――という音が起こるくらいのブレスが、シュウさんの剣から発射した。
 そしてそのままあたしたち三人は、ブレスの発射した勢いでこのエリアへの入口――クエストの出口へ
跳んでいき……

 ――一瞬激しい光に包まれたと思ったら、気付いたら外に飛び出していた。





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