暁 〜小説投稿サイト〜
SAO<風を操る剣士>
第一部 --SAO<ソードアート・オンライン>編--
第六章 《圏内事件》
第45話 リズのお願いクエスト2
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リカのいらないアイテムリストに、コート類はすべて入ってた」
「……ごめんなさい、リズさん。ということで力になれません……。あ、なんだったら、あたしが今着ているコートを……」
「いやいや、いいって。雪山とかがある氷雪地帯なんかの層じゃないんだし。これくらい我慢できるわよ。さあ、切り替えて先に行きましょ!」
 コートを脱いで渡そうとするシリカを止め、リズは言葉の通り頭を切り替えたのか、大型のトラックでも通れそうな階段を降りはじめる。

 そして数歩歩くと、リズの目の前が急に光り出しモンスターが出現する。
「でたわね。さっさと倒……って! カーソルが黒なんだけど!」
 さっそくやる気を出して戦闘態勢に入るリズ。しかし自分から見たカーソルの色が黒色、すなわちダーククリムゾンであることに気づき、俺たちのいる後ろに下がってきた。
 モンスターのカラー・カーソルは、敵の相対的な強さおおまかに計ることができる。今回のリズが見た色は、圧倒的レベル差があるモンスター特有のカーソル――つまり血より濃いダーククリムゾンとなる。
 そして普段は赤色だが、逆にモンスターが弱いと白に限りなく近いペールピンクとなる。まさに俺が今出てきたモンスターのカーソルが白に見えるようにな。
 その出てきたモンスターを、リズが相手をしても大丈夫か知るために、《索敵》スキルのModである《識別》スキルを使いモンスターを調べる。

 ――《ダークロム・ドワーフ》:ちびっこい人型モンスターが仮面を付けて変な衣装を着てツルハシをもったモンスターと言えば分かりやすいだろう。レベルは69。

 ――《オブリビオン・サーバント》:人型骸骨(ひとがたガイコツ)に、片手剣と甲冑、それに盾を装備したモンスター。レベルは64。

 ――《クレイム・バーバリアン》:《サーバント》の片手剣を片手斧にかえたモンスター。レベルは74。

 ぞれぞれ一体ずつ現れ、計三体となっているわけだが……正直レベル87の俺としてはどれも一人で倒せるレベルだった。レベル83のシリカも簡単に倒せるだろう。……というか、このモンスターのレベルを見て思ったけど。
「もしかして、このクエストの簡単って――レベル72のプレイヤーにとっては簡単って意味なんじゃ……」
 俺の言葉を聞き、シリカもリズも『多分そうなのだろう』と考えているのが何となくわかった。
「仕方ない。リズは俺とシリカがモンスターの武器を弾くから、どっちのモンスターでもいいからスイッチで攻撃しろ。ダメージを出来るだけ与えて経験値ゲットだ」
「リズさんは安心して攻撃してください。あたしたちが守りますから!」
「わ、わかった! よ、よろしく!」
 そう言って、俺とシリカがリズの前に出る。
 そしてまず最初に迫ってきた《サーバント》の片手剣ソードスキル
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