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戦国異伝
第百四十七話 死闘のはじまりその十三

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「そのことは間違いない」
「しかも門徒達も話がわかります」
「大人しいですし」
「無駄に命を粗末にしませぬ」
「よき者達かと」
「では何故我等を襲って来た」
 伊勢でのことをだ、信長は真剣に言うのだった。
「それは何故じゃ」
「それがわからなくなってきましたな」
「どうにも」
「中にはそうした凶暴な輩もおるのか」
 信長は目を鋭くさせて言った。
「多くの門徒達の中には」
「そうやも知れませんな」
「この伊勢にも」
「では余計にじゃ」
 信長はその鋭い目のまま言った。
「我等もな」
「戦の時は徹底して」
「そして攻められますな」
「そうする」
 この言葉を強く出した、そうして。
 信長は長島に兵を進めるのだった、だがここでだった。
 その長島についてはだ、生駒が言って来た。
「殿、長島ですが」
「うむ、島ばかりじゃな」
「はい、そして長島の中心にある願証寺は堅固で」
 この寺がだ、本願寺の長島における拠点なのだ。
「周りには多くの砦があります」
「そのそれぞれが川に守られておるな」
「願証寺を攻め落とすのは容易ではないかと」
 今の彼等の大軍、十五万を以てしてもだrというのだ。
「寺をすぐに攻め落とすのは」
「そうじゃな、とてもな」
「そうです、ですから」
「わかっておる、だから水軍も用意させた」
 そして船をだ、全てはこうした時に備えていて事前に命を出したのである。
「その水軍と船も遣ってじゃ」
「ではまずはそれぞれの島にある砦をですか」
「攻める」
 そうするというのだ。
「わかったな」
「はい、わかりました」
「願証寺を攻め落とすのは最後じゃ」
 周りを攻め落とし囲む、六角攻めと同じ様にするというのだ。
「これでどうじゃ」
「それでよいかと、しかも僧侶達が門徒達に降る様に言っていますし」
「うむ」
「それだけで戦をしようとする門徒達はかなり減ります」
「そうじゃな」
「最初から開城する城や砦も多いです」
「しかしじゃ」
「はい、先程の様なことがあります」
 生駒もこで目を鋭くさせる、そのうえでの言葉だった。
「ですから」
「安心は出来ぬな」
「それに数が多いです」
 織田家が当初思っていたよりもだというのだ。
「おそらく長島においても」
「二万や三万ではなくな」
「倍以上はいるかと」
「そうじゃな、多いな」
「はい、ですから覚悟を決めて」
「攻めようぞ」
 こう話してそしてだった、信長は長島に兵を進めることにした。彼は即座にそれぞれの城と砦を攻めさせ彼も自ら砦の一つに向かうのだった。


第百四十七話   完


                       2013・8・2
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