TURN114 ソビエトの真実その四
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「それでも資質もありまして」
「ソビエトにとって必要な人だな」
「はい、ですから」
「我々は他国のことには干渉しない」
東郷は必死の顔で語るゲーペにこのことを保障した。
「帝がそう決めておられる」
「では」
「ソビエトのことはソビエトの人民が決めることだ」
他ならぬ彼等がだというのだ。
「だからだ」
「我々はですか」
「そうだ、君達で決めればいい」
「わかりました。では」
「だが戦争には勝たせてもらう」
このことは絶対だというのだ。
「そうさせてもらう」
「講和はなりませんか」
「こちらは何度も交渉を申し出ていますが」
秋山はゲーペに答えた。
「ですが」
「そうでしたね、枢軸側は何度も」
「講和を申し出てきましたね」
「私もこうなるまで講和は無用だと思っていました」
ソビエトの勝利を信じていたからだ、だが今となってはだった。
「しかしこのままではと思いまして」
「ソビエト、そしてあの娘達がだな」
「こう言っては何ですが私は教師です」
生粋のだ、それに他ならないというのだ。
「ですから」
「それでか」
「はい、教師は生徒を愛するものです」
尚このことが出来ている教師は案外少ない、生徒を虫けらの様に思っている教師はわりかし多いものだが。
「ですから」
「あの娘達を守りたいか」
「そう考えています」
「いい先生だったんだな、長官は」
ここまで聞いてだ、東郷は述べた。
「そしてあの娘達も」
「いい娘達です、ですからこのことも何としても」
ソビエトと人民、そして二人もだった。
「御願いします」
「帝を信じて欲しい、このことはな」
答えはこれで出た、そうして。
帝もだ、その話を通信で聞いてこう答えた。
「はい、私としてもです」
「宜しいのですね」
日本がモニターの帝に問う。
「その様にして」
「我々は他国とは友好関係を築いていきたいですが」
「その領土や臣民はですね」
「欲しくはありません」
「そして他国の政策についても」
「介入はしません」
だからだというのだ。
「戦争が終われば領土と捕虜は返還し」
「そしてカテーリン書記長達も」
「そうしたことはソビエトの人達がです」
他ならぬ彼等がだというのだ。
「決めることです」
「では」
「東郷長官の言う通りです」
それでいいというのだ。
「私に異存はありません」
「わかりました、それでは」
こうしてだった、ソビエトやカテーリンのことは東郷がゲーペに告げた通りになった、そうしたことが全て決まり。
ソビエトとこれからどうなっていくかの枢軸軍の方針は決定した、ただ太平洋経済圏に迎え入れるかどうかというと。
ゲーペはだ、微妙な顔で答えた。
「難しいかと」
「やはり
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