笛吹き、隷属する
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かったのよね。すっかり忘れてたわ。
根っからの善人みたいだし、弄ったら楽しそうだし・・・
「分かった。いいわ、あなたについていきましょう」
「今の話の流れでどうやってそうなったのかは全くもって分からないんですけど・・・はい、これからよろしくお願いします」
私は立ち上がって、歌い手の前に立つ。
「私、“ハーメルンの笛吹き”ラッテンは“奇跡の歌い手”天歌奏に隷属します。受けていただけますか?」
「いや、わざわざ隷属してもらわなくてもいいんですけど・・・」
「あら、知らないの?私達の持ってるギフト“共鳴”はただ近くにいるより、契約と言う回路で?がっていたほうが効果が大きいのよ。距離もとれるようになるし。それとも、四六時中私のそばにいる?」
「だったら、別に隷属の契約でなくても・・・」
「一番効果が大きい契約が隷属なの。それに、隷属なら貴方を介して他の隷属してる人とも“共鳴”できるし」
実際、一番都合がいいのが隷属の契約。決して弄るためではないわ。
「はあ、分かりました・・・“奇跡の歌い手”天歌奏は、“ハーメルンの笛吹き”ラッテンの隷属を受けます」
歌い手が了承した瞬間、私と歌い手の霊格が一気に上がった。
「わ・・・ここまで一気に・・・」
「私も驚いてるわ・・・でも、ちゃんと契約は交わせたみたいね」
私は乱れていた服装を正して、歌い手に一礼する。
「では、これからよろしくお願いします、ご主人様♪」
「・・・はい?いや別に敬語じゃなくても今までどおりでいいんですけど・・・呼び方も、奏の呼び捨てでいいですし・・・」
「そうですねえ・・・では、ご主人様が敬語をやめて、呼び方を呼び捨てにしたら、にしましょう」
「えー・・・」
やっぱり、弄ったら楽しそうだわ♪
???
「ふう・・・皆―!怪我をしないよう、無理せず気をつけて運ぶんだぞー!」
「「「「「「はーい!!!」」」」」」
僕はラッテンさんと一緒に剣の舞を奏で、木を運びやすいサイズにしてから子供達にそう言っていた。
何でも、土地の肥やしにするものがあれば“ノーネーム”の土地を復活できるかもしれないと飛鳥さんがつれてきた地精の少女、メルンが言っていたそうで、まずは周りの林を肥やしにしよう、ということになったのだ。
「お疲れ様でした、ご主人様。どうぞ、のど飴です」
「あ、はい。ありがとうございます」
ラッテンさんからのど飴を差し出されたので、僕はありがたく受け取った。
まあ、ここまではまだいいんだけど・・・
「・・・なんでそんな格好なんですか?」
「これくらいしたほうが目に見えて隷属した、と分かるかと思いまして♪魔笛を飛鳥に渡したとはいえ、まだ信用されていないみたいで
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