第一物語・後半-日来独立編-
第六十一章 覚醒せし宿り主《1》
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っただけで罪人なんて一方的じゃないかって思うんだ」
「だから何時か罪が晴れるその日まで、頑張り続ければいい。そういうことだな」
「そういうこと。んじゃまあ、だからさっさと解放場から出ますか!」
会話を一先ず休止し、右手を高く天に伸ばす。
空と同じ青の爪が天を指し、振り下ろされる時を待っている。
光が流れるなか、流れを裂くように次の瞬間振り下ろされた。
右腕が、解放場に向かって。
「ぶっ壊れろおおおおおお――――!」
振り下ろされる際に、一つの映画面|《モニター》を砕いた。
“憂いの葬爪”と表示された映画面を割るや否や、右腕は輝きを強め、解放場にその爪を立てた。
金属を叩いた冷たい音が響き、次の瞬間には硝子を割ったような音が響く。それだけの動作によって、セーランの周囲から更に無限の流魔が溢れ出した。それも徐々に量を増やして。
流魔の青が濃くなると同時に濃度も濃くなり、忙しく解放場が解放を続ける。が、流魔は止まらない。
桶に溜めておいた水が溢れ返したように、次々と流魔が現れ、量を増やしていった。
悲鳴のような唸りを上げる解放場を無視し、無理にでも解放を続行させる。
壊す勢いを止めずに、だが抗うように解放場も解放の速度を自動的に上げた。解放場の操作を行っていた者達からは、危険だ、の一言が漏れ始める。
容赦無く流れ続ける流魔のなか、微かにセーランは何か欠けたような気がした。
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