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神葬世界×ゴスペル・デイ
第一物語・後半-日来独立編-
第六十一章 覚醒せし宿り主《1》
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りだな」
「寝ていれば我が宿り主を知れる……」
「なら解ってんだな、ここに来た理由」
「ようやく、正式に宿り主となるのだな……」
 頷く。
「頼めるか?」
「断る方がどうかしている……」
 と、傀神はゆっくりとその巨体を持ち上げる。
 静かだった空間に、土を蹴り、ずれる音が響き渡る。
 土煙の代わりに光が飛び散り、白い毛並みを光らせた。後ろ足から立たせ、後から前足を重たそうに立たせる。
 ゆっくりと、産まれたての動物のように左右に揺れながら。
 唸り、力を込める。そして立ち上がった。
 堂々と、勇ましく。
 見上げる程高く、白い毛並みが周囲の光を反射させ、傀神自身が光っているように見える。
 だが、一つだけ気になったところ。
 巨大な身体を支えている傀神の一足。
 前の右足が、付け根の部分から無かった。たった前の左足一本と、後ろ足の二本、計三本だけで立っていた。
「我が宿り主よ。我を宿らせなければ、その右腕は同じようにはならなかっただろう……」
「これは、これからの俺に必要な傷跡だ」
「そうか……」
「そうだ」
 お互いを見て、短く久し振りの会話を楽しんだ。
 笑うセーランを見て、上から傀神は彼に問う。
「正式に宿り主となれば、我が宿り主側からはどうすることも出来無い。本当にいいのだな」
「でも傀神の方なら出来るんだろ」
「我が存在を保つためには人間が必要だ。手放すわけがなかろう」
「平気だよ。俺はお前無しじゃただの人族だ。力、貸してくれよ?」
 止まっていた時が動き出したように、微かに風が息の根を吹き返した。
 花を揺らし、傀神の毛を揺らし、セーランの髪を揺らす。
 冷たく、何処か切ない風。
 今にも止みそうな、弱々しい風だ。
 何処に向かうもなく、ただ吹いては流れるだけ。
「我が力の糧、それは感情だ。お前は感情を失う覚悟はあるか」
「あると言ったら嘘になるから無いって言っとく」
「はっきりしろ」
「無いね。覚悟なんて更々ねえ。だけど俺はそれでもやらねえといけねえんだ」
「それは命を掛けてもか」
「いや、俺には守るべき人がいる。死んでも守ろうとは思うけど、死にたくない」
 セーランの言葉を聞き、少しばかし考える。
 黙ってセーランは傀神の答えを待ち、風に頬を撫で続けられた。
 答えは簡単に出せるものではない。
 傀神にとってセーランとは、自身を存在させ続けるために必要な存在であり、彼がいなくなれば自身は消えることとなる。
 過去の過ちにおいて深傷を負い、こうして人間に宿られなければいけない。
 今の宿り主はいる。だが、次の宿り主は何処にいる。
 神と人間が生きる時は違う。そのなかで、次に自分が宿る者は何処だ。この者で本当にいいのかを。
 馬鹿な程頑張り屋で、呆れる程傷
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