第一章
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ったことを彼女に教えた。
「またギターの仕事が入ったよ」
「よかったじゃない」
屋根裏の部屋に彼女が待っていた。その中で空のグラスを拭いていた。
「それで何処で仕事するの?」
「ライブ会場さ」
「あら、凄いじゃない」
俺の言葉に目を輝かせてくれた。まるで自分のことのように。
「ライブだなんて」
「そうだろ。何か凄いラッキーだよ」
俺は笑いながらそれに応えた。ギターを部屋の隅に置いてベッドの上に座った。彼女は椅子に座ってグラスを拭いて俺の方を見ていた。
「今でも夢みたいだ」
「お金は?」
「そっちもだよ」
俺は笑ってそれに応えた。
「かなりいいんだ、これで酒が買えるぜ」
「じゃあ乾杯する?」
「ああ」
俺はその言葉に頷く。
「何もないけれどな」
「それでもね」
空のグラスで乾杯した。金が思いきり入ることに俺はとにかく嬉しかった。それだけを考えていた。金さえあればそれで幸せになれると思っていた。
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