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さんすくみっ
第一部
第三幕 畜生叫ぶ
第三幕 畜生叫ぶ
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からやめろ」
「いいからいいから」
 よくねえよ。足が冷えたら結構死ねるんだぞ? ……つかお前、
「……どこにハサミを入れようとしている?」
「知らないのかい? よく人間は何故か装甲が少なく肌色成分の大きな鎧で、防御力や格好良さをアピールするんだ。その理論を応用して、股間部分にパンツごと大きな穴を開けて、急所を大きく露出させることで逆に格好良さを──」
「ふざけんな!!」

 ──結局、俺は全体的にゴワゴワとした服を着せられていた。上着がどんな名前のものかさえわからんが、ジャージに比べると動きにくいこと限りなし。
「まぁ、及第点だね」
「てめェが選んだんだろうがよ」
「マフラーさえ取れば合格なんだけどね」
「寒いだろうがよ!」
「もう四月も半ばだよ?」
 それがどうした? 俺は七月や八月だろうとマフラーを外す気はない。最早それはポリシーと言っても過言ではない。
「ケロロ」
「なんだよ、お前も文句か?」
「ケロ? 違いますよ。ミーくん、とってもかっこよくなってます。ケロッ」
「………………………ちっ」
 俺は思わずカエルから目を背ける。
 くそっ。なんだよ。
「服も終わったんだから、とっとと行くぞ!」
 そんなに悪い気はしなかった。



 あれから、『人助け部』には三人ほどの客が来た。
 ネコ、サンマにブタ。
 相談内容だって様々だった。
 金の価値がわからん、剣道をマスターしたい。罵ってほしいなんて言われた日には、すっげえ帰りたくなった。ずっと言ってるが、俺は本来帰宅部向きなのだ。
 それらを一々解決したり、解決? したり、殴り飛ばしたりするこの一週間は……ムカつくほどに充実してた。
 胃袋はいつもオロオロで、時折ドロップキックをぶちかましたり、緑色になって胃袋を吐き出したりした。
 ナメクジはいっつも本を読みながら、面倒ごとは全て俺達(実質俺だけ)に押し付けた。
 パッと見、こいつらいらねぇんじゃねえかとも思うが、ブタ以外は俺だけじゃ、絶対に解決できないものばかりだった。
 俺達はなんだかんだでいいトリオになってきているのかもしれない。
「こんな生き方もありなのかな」
 そんなことを呟いた時には、思わず自分の言葉を疑ったが、……まあそんなもんかもしれない。
 さて、何故今こんな話をしたかと言うと、俺は馬鹿なことにすっかり忘れていたのだ。
 俺が生きているのは人間の世界。
 だから、人間の相手をしてきたのだと思っていた。
 違う。
 俺はゴリラやオバちゃんなんかを除けば、結局のところ、人間もどきの『元』畜生としか触れ合ってはいないのだ。
 俺は人間について何もわかってはいなかった。
 人間の『悪意』について、まるで何もわかってはいなかったのだ。
「────」
 俺は大き
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