07/19 山田真彩
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の横顔に目をやる。
空斗と違いちゃんと着てある制服。
白いシャツは限界までまくられていて、
学ランのズボンもひざのあたりまでまくってあって、
体育館で遊んでいたからだろう、暑いのかどっかの野球チームの下敷きであおいでいる。
あ、ずっと前にハンシンが好きとか言ってたな。
じゃあこの下敷きはハンシンのかな。
眉毛は、ある。整えてないと思う。
目は大きくて、歯並びがいい。
坊主までいかない、野球部らしい髪型。
ぶっちゃけかっこよくねー、どこがいいんやろう。
思わずまた顔を歪めそうだったので、教科書に目を戻した。
「教科書58ページぃ」
語尾が伸びる独特の口調で、理科の先生は言う。
300ページくらいある教科書の6分の1くらいはもう
終わってしまったわけだ。
受験、なんて言葉はいまのアタシ達には関係ない。
そりゃあ中学三年生ですけど。
学年TOPの、その、根本的にアタシとは頭の構造が違うような、
そんな人達は今のうちからやれ塾だやれ講習だって
言われてるのかもしれませんけど。
それなりに勉強やって、そこそこの順位をキープしてるアタシには関係のない話。
それはこのクラスの大半に対して同じことが言えると思う。
七クラスあるこの学年で最後のクラスであるだけ、
なんとなく寄せ集めみたいなものが集まって出来たこのクラス。
TOP20に入る人が2人いる程度。中間ぼちぼち、その他はほとんど半分以下。
実際にテストを見たわけではないけど、なんとなくそんなかんじがする。
とりあえず三ヶ月たったけど、クラスの中のグループみたいなものはある程度固定されてきて。
でもまだなんとなく、ぎこちない。
お互いを探り合うようは異様な空気。
ななちゃんの柔らかく編んだ三つ編みの数。
理沙の作った笑顔。
理科の先生の語尾を伸ばす口調。
とか。あ、なんかむしゃくしゃする。
空斗とかだったらこういう時は非常にわかりやすく、態度に示すけど、
アタシはその気持ちを押し殺して、冷静さを装いノートを開く。
真彩の字、可愛いよなー。羨ましい。
ななちゃんが呟いた言葉を思い出す。
そんな可愛い声でゆわれてもなぁ。と思いつつありがと、と言った覚えがある。
黒板に書かれた無難な文字列を書き写すため
ペンを出したその時だった。
「っあーやべ、」
べ、を短く切り呟いたのは。隣の席の岡島龍。
反射的にペンを出す手をとめ、右を向くと、
岡島龍は
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