07/19 山田真彩
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は可愛いんだけど。少なくとも私よりは。
なんで理沙みたいなんがこんな田舎におるんやろ。
理沙だけじゃなくて、美希ちゃんとか、奈々ちゃんとか。
神様は不公平だ。
イヤホンをしまいながら関係のない神様にあたってみたりする。
「んじゃ、五限目終わったあとね」
理沙は『保険』をかけて、目だけで三ミリくらい笑った。
今の笑顔は、正直あまり好きじゃない。
理沙は『一人になりたくない系女子』だ。
同じグループだった美希ちゃんちにはじかれた時も、
一人になりたくないんだろう。アタシのところに来た。
田舎は田舎でもそりゃそんくらいの人間関係とかはある。
アタシは元々女子より男子と仲良くなるのが上手いので、
言い換えれば女子と仲良くなるのは下手なので、
理沙が五月くらいにアタシのところに来てくれてよかったと思う。
アタシだって『一人になりたくない系女子』なのだ。
膝ちょい下くらいのスカートを掴んで、
ベランダから教室の中に入った。
青い空に入道雲が浮かぶような、暑い夏のことだった。
目が、慣れていない。
教室がやけにみどりばんで見えたが、それも一瞬のことだった。
窓側後ろから二番目という夏の特等席に、理科の教科書を乱暴におく。
ド田舎中学。ジュケンセーだというのにエアコンなんてものはない。
夏は窓からふく風のみが、オアシス。
だから席の場所自体はいいんやけどな、なんて思う。
起立、というななちゃんの澄んだ可愛い声が通る。
だからなんでそんなにかわいい声が出るん。
出しかた教えて欲しいわ。
あ、でもああゆう声って自然に出るモンなんかなぁ。
出したことないもん、わからん。
ななちゃんの口をみながらくだらないことをかんがえていたその時。
バタバタというスリッパの音。
あと、なんかでかい笑い声と、ボールの音。
「遅れてサーせぇん」
唐突なハスキーボイス。
声の主、山田空斗。ヤマダタカトとその連れ三人が教室のドアを乱暴に開けて入って来た。
サーせぇんって、なんやねん。すいませんも言えへんのーなんて、ミキちゃんが笑っている。
空斗は、げぇー次理科じゃんなんて言いながら、
教科書も持たずに一番前の席につく。
(なお一番前になったのは先生の希望である)
理科の先生はコクコクと頷くと、黒板に文字を書き始めた。
このハゲは不良にびびっちゃって、されるがままだ。
他の三人も何がおもしろいのか笑いながら席についた。
そのうちの一人は、私の右側に。
理沙のこともあって、いつもは見ないそ
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