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偽典 ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
第7章 終わりの始まり
第陸話 勇者の帰還
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はず。
それは、大魔王が倒されたあとでも続いているようだった。
「アーベル、無事だった?」
テルルが心配そうな顔でのぞき込んでいる。
「ああ、ほかのみんなは?」
「無事だ」
タンタルが自信をもった表情で返事をした。
そばにいる、セレンもゆっくりとうなずいている。
「そうか、なら急ごう。
呪文は使えないので、歩きにはなるが。
まあ、大丈夫」
俺は、仲間を見渡して。
「魔物の気配がない。
堂々と帰ろう」
かつての記憶を頼りに、洞窟を歩いてゆく。
ほどなくして、地上にたどり着いた。
地上にたどり着いたとき、空の上のほうで、何かか閉じたような音がした。
「光か・・・・・・」
セレンの言葉に全員が反応する。
大魔王の力で闇の世界に包まれたアレフガルドに朝が訪れた。
周囲を見渡しても、モンスターの気配を感じることがない。
ようやく、大魔王を倒した実感を得られた。
しかし、まだ終わっていない。
俺は、ラダトームの城へ向かうため、ルーラを唱えた。
ラダトームの街は、活気に満ちていた。
初めて訪れたときのような、絶望と憂いに満ちた表情はどこにもなかった。
さっそく、入り口の住民から声がかかる。
「おお!あなたがたはっ!
すでにここ、ラダトームまでも知らせは届いています!」
男は、喜びを爆発させていた。
大魔王を倒したことなど、現場にいなければわからないはずなのに、どのような知らせがあったのだろうか考えた。
どうやら、ラダトーム南の方にいた兵士が、対岸にあるゾーマの城が音を立てて崩れたことで、大魔王が倒されたことを知ったようだ。
男は、そのようなことを早口でまくしたてていたが、
「おや?勇者様がいらっしゃらないようですが・・・・・・?」
首をかしげながら質問する。
勇者は、三姉妹と一緒に冒険を続けているところだろう。
バラモスを倒してもおかしくないころだ。
だから、ここには存在しない。
「はい」
俺は、簡潔に返事する。
「なんと!勇者様抜きで大魔王を倒されたのですか!
それはすごい!」
男は非常に驚いた様子で、俺たちを眺めていた。
城に向かって歩いていると、今度は若い女性に声をかけられる。
どうして、俺たちが倒したことがわかったか気になったが、大魔王を倒すために行動していたのが、俺たちとオルテガしかいなかったのだろう。
住民はそのことを覚えていたようだ。
女性は、俺たちの周辺を眺めると残念そうな表情で質問する。
「で、勇者様は?
オルテガ様はどこ?」
首を左右に振る。
そうか、勇者がアレフガルドにいない今、勇者といえばオルテガになるのか。
「えーいないの?なんで、なんでぇ〜?」
女性は、不満を俺たちにぶつける。
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