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偽典 ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
第7章 終わりの始まり
第伍話 討伐
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法「ベホマ」で回復を行う予定だ。
癒えた体を実感した俺達は、攻撃を再開した。
どれくらい、戦闘が続いたのだろうか。
俺のMP消費量から判断すると、メラゾーマ17回目だな。
大魔王ゾーマの動きが突然止まる。
やがて、ゾーマの体が崩れ落ちる。
「やったのか」
「・・・。そうだな」
俺はしばらくゾーマを睨んでいたが、ゾーマの体からモンスターの気配が消え失せたのを確認した。
俺達は、一度セレンが瀕死の重傷を負ったが、自分でベホマを唱えて危機を脱出している。
結局、死者を出すことなく勝利した。
セレンとテルルは、お互いの体を抱き合って、健闘をねぎらっていた。
経験値を稼ぐため、連続して戦闘を続けたことはあったが、一体を相手にこれだけ長時間戦ったことはない。
大魔王を相手にしたというプレッシャーをはねのけた事で、一気に疲労が襲いかかったようだ。
ようやく俺の長い旅が終わる。
これまでの旅の経過を思い出していた。
ようやくこれからのことを考える必要がある。
まずは、勇者を助けることだな。
「アーベル」
俺を現実に引き戻したのは、テルルの声だった。
大魔王ゾーマが、倒れた姿のまま俺に話しかけた。
「アーベルよ、よくぞ我を倒した」
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