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偽典 ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
第7章 終わりの始まり
第伍話 討伐
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セレンが唱えた呪文「マホトーン」によって封じられていたからだ。


「そんな、……」

「これで、おまえは消え失せる。終わりだ」
タンタルの攻撃でバラモスブロスが倒れる。
「終わりだと!
これが地獄行きの始まりだ。
俺には後二人兄がいるのを忘れたのか」
「なに?」
タンタルは驚きの声を上げる。

「貴様の地獄が目に・・・・・・」
バラモスブロスは話の途中で、消え去った。

「あの二人が生きていたのか」
タンタルのつぶやきに、俺は質問する。
「知っているのか?」
「いや、なんとなく言ってみただけです。
ですが、他のバラモスなんとかが襲いかかってくるのでしょうか?」
タンタルは心配そうな表情で俺にたずねる。

「大丈夫だろう。
とはいえ」
俺は、遙か遠くにみえる玉座に視線を移すと、
「あそこまでは、遠い。
襲いかかってくる可能性に注意を払おう」
俺は、バラモスゾンビの存在を念頭に置きながら、注意を促す。
バラモスゾンビになりそうな存在は、先ほど倒したバラモスブロスくらいしかいない。
上の世界のバラモスは、三姉妹達が倒さない限りゾンビ化しないだろう。
ひょっとしたら、先ほどの二人の兄が現れるかもしれないが。

「そうですね」
タンタルはうなずいた。



結局、玉座の前に到着するまで、バラモスゾンビは出現しなかった。
とりあえず、俺は安心した。
おそらく、バラモスゾンビが出現しなかった理由は、バラモスがまだ三姉妹達に倒されていないことによるものだと確信した。
そして、今のうちに、目の前にいる大魔王を倒すことができるのであれば、悲劇を避けることが出来るであろうことも。


「さて、最後の敵は目の前だ」
俺は、ようやく玉座に座る大魔王を前にした。
俺は、最終確認をする。
ここで、ミスは許されないからだ。
「HPの回復はすんだか?」
セレンはうなずく。
「光の玉はあるか?」
「ちゃんと、用意しているわ」
テルルは、自分用の道具袋を確認する。
「MPの補充は?」
「大丈夫です」
セレンが、左手の薬指に身につけた指輪を、いとしそうな表情で確認しながら頷く。
指輪のデザインが気に入ったのは良いが、しょせんは消耗品。
あまり愛着を持たないほうがよいだろう。
まあ、在庫に余裕があるのでいくらでも同じ物を渡すことができるが。


「よし、向かおう。最後の敵に」
俺の目の前に、再び大魔王ゾーマがあらわれた。



父親であるロイズがアリアハンの近衛兵に就任した日から、ゾーマの討伐を決意していた。
途中、一年間ロマリア王として仕事に励んだり、一緒に冒険する予定の勇者が連れ去られたり、いくつか予定と違う点が存在するが、目の前のゾーマを倒す準備は整
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