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偽典 ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
第7章 終わりの始まり
第肆話 ゾーマ城
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ゾーマ城地下、最下層。
静寂と闇に覆われた空間の中で、目の前にある祭壇だけが仄かに灯っていた。
「暗いわね」
「そうだな」
俺たちは、祭壇に向かって歩みを続けていた。
城内での行動は、特筆すべきことはなかった。
あえて、ダイジェストでお届けすると、こんな感じだった。
〜だいまじん編〜
「!」
タンタルが扉を開けると、そこには巨大な石像が左右に3体づつ、合計6体が直立していた。
巨像は、今にも動き出しそうな状況だ。
ただ、その表情は、来客者を歓迎しているのではなく、不審者を追い払おうとする威圧感を放っていた。
俺は、巨像の表情を無視して、袋から取り出した球状の物体を巨像の足下と先に見える扉に設置していた。
「ねえ、何をしているの?」
俺が黙って作業しているので、テルルが思わず質問していた。
「怪しいので、魔法の玉で爆破してみる」
俺は、準備が終わると立ち上がり、にこやかにテルルに答えた。
「大丈夫ですか?
そんなことをしても」
セレンが心配そうに質問する。
「大丈夫さ。
もともと、俺たちは招かれざる客なんだから」
俺たちは大魔王を倒しに来たのだ。その過程で、巨像や城の一つが滅んでも問題ないだろう。
原作でも、城は崩壊したし。
俺は、呪文を唱えた。
「イオラ」
俺が真上に掲げた右手から放たれた光の玉は、周囲に広がり、巨像の足下に到着する。
「伏せて!」
周囲にあらかじめ設置した巨像が爆破に巻き込まれた。
爆破の炎が静まると、巨像は粉々に砕けていた。
「ああ、すっきりした」
俺は、さわやかな表情で、
「さあ、進むぞ」
破壊した、扉に向かって歩き始めた。
〜地下迷宮編〜
「ねえ、アーベル?」
「ああ、この仕掛けのことか?
ルビスの塔で見かけた物と一緒のようだが、
仕掛けの種類はわからないな。
それでも、あえて推測するなら・・・・・・」
「そうじゃなくて、地下への階段のことよ」
テルルは、先ほど降りた階段のことを口にした。
「階段?」
「玉座に、大魔王がいなかったから、他の場所にいるのはわかるけど、どうして玉座の後ろに隠し階段があるとわかったの?」
「まあ、勘だな」
「それにしては、一直線に進んでいたけど?」
「まあ、類推はできる。
玉座の間を出入りする扉は、一カ所だけだった。
だけど、避難経路等を考えれば、この部屋のどこかに抜け道を造るしかない。
そうであれば、背後の壁か、玉座の裏辺りが適当だろう。
それに、」
俺は、一息つくと、
「玉座の間は、バリアで覆われていた。
足跡などをたどれば隠し場所を探ることができるが、バリアの床はわかりにくい。
ならば、足下を調べるしかないと
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