暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
第1話 「変化の訪れた日」
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
団から出た俺は時間を確認する。普段よりも30分ほど早く起きてしまっているが、完全に目が覚めている。
 ランニングと素振りでもしようと思い、着替えを持って静かに部屋から出る。
 時間を潰した俺は汗を流すと上着以外の制服に身を包み、朝食と弁当の製作に入った。これといって食べたいものがあったわけでもなかったため、冷蔵庫にあった材料で適当に作った。
 学校へ行く準備が終わる頃に、ファラが目をこすりながら起きてきた。いつもどおりテレビの前のテーブルの上に乗せてやり、テレビの電源をつける。

「じゃあ俺は行くからな」
「ふぁ〜い……行ってらっしゃい」

 本当に人間っぽいな、と内心で思いながら玄関に鍵をかけて学校へと向かう。
 普段使っているバス亭からバスに乗り込む。いつもと変わらず、大半の席は私立聖洋大学付属小学校の生徒達で埋まっていた。空いている席を探して後方へと進んでいくと、視界に3人の女子が映る。

「あっ、夜月くん。おはよう」

 まず声をかけてきたのは、栗毛をツインテールにした女子。名前は高町なのは。穏やかで誰にでも好かれる明るい子、というのは大半の人間が抱く感想だろう。俺にはどこか演じているようにも見えることがあるが。
 彼女の両親は俺の両親のことを知っている。あのふたりが勝手に言うとは思わないが、彼女が俺に興味を示してしまった場合、ヒントになるようなことを言ってしまう可能性はある。
 そのため高町とは、他の子よりも意識的に関わろうとしないように心がけている。

「ショウくん、おはよう」

 次に声をかけてきたのは紫がかった黒髪の女子。名前は月村すずか。大人しい性格をしているが、運動が得意な子だ。彼女は機械関係に興味があり、本も好きなようだ。俺も似たような感じなので、街の図書館で出会う内に声をかけられ、こちらから接しようとしたことはなかったがそれなりに親しくなってしまった。
 俺は知り合いくらいの認識なのだが、彼女は友人だと認識しているようで名前で呼んでくる。俺を名前で呼ぶ人間は少ないので、恥ずかしさに似た微妙な感情を抱いてしまっている。顔には全く出ていないようだが。

「おはよう」

 最後に事務的に声をかけてきたのは金髪の女子。アリサ・バニングスという外国人なのだが、日本育ちなのか流暢な日本語をしゃべる。3人の中で最も強気な性格をしており、リーダー格だと言えるだろう。
 俺が無愛想なせいか、月村と交流があるのに何かしらの感情を抱いているのかあまり好意的ではない。まあ理由もないのに好意的に接せられても違和感しかなく、深く関わるつもりはないのでは逆にありがたくもある。

「ああ、おはよう」

 簡潔に返した俺は、空いている席へと座る。3人は再び会話を始め、俺は黙って窓越しに景色を見る。昨日までと大差
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ