焦がれる夏
弐拾 心は硝子か濁流か
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薫はフッ、と息をついた。
(夏は怖いなぁ。いや、怖いのは……)
打席から薫は、自軍スタンドを見上げる。
エンジのメガホンが、人が揺れる。
人の思いの渦。それが具体的な形を伴って現れたように見える。
(人間の心の力と、その脆さかな。)
八潮第一のマウンド上の円陣が解ける。
一息ついてから、御園が投げ込んだ初球を、薫は華麗に流し打った。
左中間へとライナーが飛ぶ。
センターの奥山が再び横っ飛びするが、そのグラブは白球に全く届かず、ボールは青い芝生を転々と転がっていった。
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