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正義と悪徳の狭間で
導入編
麻帆良編
導入編 第5-M話 繰り返す者
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む。

「ではいただきます、マクダウェルさん」
私も香りを楽しむように紅茶を一口いただく…さわやかな香りが広がる…たまにアイシャに入れてもらうダージリンティーと同じやつかな。
ロックならもっと詳しくあてられるのだろうが。

「いい香りですね、ダージリン…ですか?」
「うむ、正確にはダージリンを基調にしたブレンドティーだ、本来はダージリンを水増しした半分インチキ商品らしいのだが、アイシャがケーキに合うと送ってくれて

な」
うん、知ってる。私が目利きしきれずに買ってきたのが最初だからな…まあ、結果的によかったが。

そんな具合でお茶を堪能していると呼び鈴が鳴らされる…マナが到着したのだろう。

メイドが玄関に向かい、少ししてマナを連れて戻ってくる。

「お招きに預かり光栄です、マナ・アルカナ、あるいは龍宮真名です。一度お会いしたことがある筈ですね」
そういってマナは軽く会釈した。

「座るといい、龍宮真名、たしか二年ぶりだったかと記憶している。ついでに紹介しておくとそのメイドは私の従者の絡繰茶々丸だ」
促されるままにマナは私の隣に座った。そして絡繰茶々丸とやらがタルトと紅茶を持ってきていた。

「知っていると思うが、ここ十数年ほどこの街に軟禁されていてな、外の話が効きたいんだ」
その後しばらく、紅茶とタルトを楽しみつつ、機密に触れない範囲で私とマナは紛争地域や背徳の街の事を話した。

マクダウェルさんは楽しそうにそれを聞き、たまに質問もしていたのだが、三杯目の紅茶を注いでもらったあたりでとんでもない事を言い出した。

「そうそう、言い忘れていたが、私と茶々丸はお前たちと同じクラスに通う事になる。まあ、クラスメイト同士仲良く行こうじゃないか」
「クラス…メイト…だと?」
マナを見る。同じくわずかな動揺がみられる
「ほう、そんなに変かな?長谷川千雨、龍宮真名」
「いや、だってあんたは先月博士号を…」
「ああ、取得したし、博士課程もちゃんと修了した…私をこの街に拘束したのはサウザンド・マスター様だというのは知っているな?」
黙って頷く。
「では、その呪文が登校地獄と言う呪いである事は?」
「いや、でもそれって卒業したら自動的にとけるんじゃ…」
あれはそういう呪いのはずだが…
「ああ、普通はな。だが中等部の三年で呪いはとけず、あのバカ(ナギ)が迎えに来てくれる事を信じながらもアイシャと同じ高校に進学し、3年を過ごした。
そこでタカミチ坊やと同級生になって三人でつるむ様になった、高校を卒業しても呪いはとけなかったがな。
アイシャは大学にいかずにあちらに帰っていった…ここまでくればもはやヤケクソだ、開き直った、ならば最後まで卒業してやる、とな。
念のため受験してあった麻帆良大学の文学部に進学し
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