A's編
第三十一話 裏 前 (グレアム、クロノ)
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ーゼロッテ、そして、巻き込まれた―――そう、巻き込まれたと称するのが正しい少年と少女である蔵元翔太と高町なのはである。
「それでは、行くとしようか」
グレアムは眠っていたベットから降りると時空管理局の制服に着替えた後に身だしなみを整えて彼女たちに告げた。
―――さあ、最終幕の始まりだ、と。
◇ ◇ ◇
「今回までの調査で分かったのはこのくらいだね」
「そうか……わかった。引き続き、調査を続けてくれ」
もう、一秒も惜しいと言わんばかりにクロノ・ハラオウンは無限書庫の調査を依頼しているユーノ・スクライアとの通信を切った。あちらとて、こちらの事情は知っているはずだ。ならば、このことにも文句は言わないだろう。感情の揺れ動きが大きいやつならまだしも、クロノが見た限り、ユーノ・スクライアという人間は、頭は冷静を保ちながら、心を滾らせることができる人間だ。
そうでなければ、一人の少女の命がかかっているからと言ってこんな無茶な依頼を受けることはできないはずだ。なにより、彼の眼の下にできた隈がそれを証明していた。
ユーノとの契約は、期日ぎりぎりまで調査を続けることだ。成果自体を期待しているわけではない。なにせ、相手は無限書庫。そこから一連の資料を一部とはいえ探し出すのにはチームを組んで最低三か月は必要なのだから。それを人数が増え、チームの体裁をなしているとはいえ、女子どもでできたチームにわずか一か月で数百年に及ぶ闇の書―――否、夜天の書の記述を調査させているのだから。
現状は、夜天の書がユニゾンデバイスであり、貴重な魔法を記憶しておく役割を持った書物だと判明した。そして、ヴォルケンリッタ―とは、夜天の書に書かれた貴重な魔法を狙う輩から夜天の書を護るための騎士だということも。
そんな夜天の書がどうして闇の書になったのか、そのあたりははっきりとした資料は見つかっていない。だが、もともとあった転生機能によって主を転々としていくうちにウイルスともいうべき機構を組み込まれ、結果として夜天の書は闇の書となった。
だから、クロノはある一点に一縷の望みをかけた。つまり、闇の書から夜天の書への再生だ。
そのための資料をユーノには探させていた。夜天の書が作られたであろう古代ベルカ時代の書物を。
もっとも、ベルカ文明の貴重な資料―――ベルカ時代の資料を保管している聖王教会ですら持ってなさそうな―――が無限書庫にあることが不思議でならないのだが、『無限書庫』だから、の一言で片が付けられるような気がするところが恐ろしいところである。
しかし、何にしても残された時間は少ない。
なのはの協力によって闇の書の残存ページ数は残り数十ページになった。あと一回竜狩りを行え
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