暁 〜小説投稿サイト〜
REVOLUTION 2007
第三章
[1/2]

[8]前話 [1] 最後

第三章

「牛肉だって昔はこんなに食べられなかったのよ」
「そうだったんだ」
「そうよ。輸入肉なんてなくてよ」
「ああ、アメリカとかオーストラリアとかから輸入しているあれだね」
「そう、あれよ。ああいうものがなかったのよ」
 こう僕に話してくる。話には聞いていたけれど実感があるかっていうとない。僕が生まれた時にはもう輸入肉がスーパーに一杯あったからだ。
「オリーブだってね」
「オリーブも?」
「あれもなかったのよ。オリーブオイルだってね」
「なかったんだ」
「あっても高かったのよ。とてもね」
「何か全然信じられないんだけれど」
 僕は話を聞いていてとても信じられなかった。思わず首を傾げさせてしまった。何かデジャヴューなんてものを感じる。感じずにはいられなかった。
「オリーブオイルもないって」
「パスタには絶対に入れるわよね」
「というか大蒜と一緒で付きものなんじゃ」
「昔はパスタにはオリーブも大蒜も殆ど入れなかったのよ」
「それも信じられないし」
 僕はまた腕を組んで考える顔になった。パスタは大好きだけれどそれは本当にオリーブと大蒜がないと考えられないものだ。その二つがあってだった。
「ううん、それを考えたら」
「変わったでしょ」
「変わったんだね」
「それによ。あんたもお父さんも下着ボクサーパンツよね」
「うん」
 実はそれが好きだったりする。何かはいていると格好いい感じがする。この下着ははくともう他の下着ははけない位いいものだ。
「お父さん昔はずっとトランクスだったのよ」
「それも変わったんだ」
「ブリーフは嫌でしょ」
「何か変態みたいでね」
 一回ネットでホモ漫画を観た。そこで男二人が白ブリーフでそういうことをしてもう生理的に受け付けなくなった。もっともそれよりずっと前にブリーフなんてはかなくなった。中学生になったら何故か皆ブリーフはださいと言ってトランクスになった。それで今はボクサーパンツだ。
「絶対に嫌だよ」
「そういうことよ。けれど昔はあれが格好いいって思われてたのよ」
「本当に!?」
「ゴルゴ13だってそうじゃない」
 あの世界を股にかけるスナイパーの漫画の主人公だ。僕が生まれるずっと前から連載している。果たして何時終わるのかが気になっていたりする。
「あの人ブリーフよ」
「あの身体でブリーフだと変態じゃないの?」
「そうかもね。変態かもね」
「それは否定しないんだ」
「滅茶苦茶変な人だから」
 そのままでも確かに変態に見える。あのキャラクターは完全に変態だ。
「それはね」
「それにしても。昔はそうだったんだ」
「街だって変わったのよ。二十年前と比べてね」
「二十年前と?」
「そうよ。携帯電話もインターネットもなかったしテレビだって昔のはもっと厚い
[8]前話 [1] 最後


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ