第二章
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第二章
「それって」
「わからないんですか」
「ちょっとね。先生も答えが出ていないんだ」
首を捻りながら僕に言ってきた。
「さて、どういうものになるかな」
「先生がわからないんなら僕も」
「悪いね、ずっと考えてるんだ」
先生はまた言ってきた。
「答えが出たらまた言うよ」
「わかりました」
話はそれで終わりだった。納得しろという方が無理だった。
そして。その納得しないままでまた皆と話をする。世の中は本当に変わらない。
とりあえず変わったことを見るとだ。何か下らないことばかりだ。
「あの王子様昔は美少年だったんだろ?」
「これだぜ、昔」
「おいおい、凄いな」
ある国の第一王子様の写真を見る。するとブロンドの豊かな髪の美少年だ。けれど今の写真を見るとだ。顔はそのままでも髪の毛が凄いことになっている。
皆それを見てだ。泣きそうな顔になる。同じ男だから余計にだ。
「二十代でここまでなるのか」
「俺達も十年後こうか?」
「禿るのか?」
一人が究極に言ってはならないことを言ってしまった。
「やっぱり。禿るのかよ」
「いや、二十代で禿はそうないだろ」
「滅多にな」
皆必死にそれは否定した。否定せずにはいられなかった。
本当に変わることは少しだけだ。とりあえず世の中あまり変わらない。何か変わらない方がいいんじゃないかとさえ思ったりもしないわけじゃない。
そして家に帰ってテレビを見てるとだ。何か女優が離婚していた。我儘で有名な女優なのでそれを見てもあまりどうとか思わない。
テレビを見ているパートから帰ったばかりのお袋がだ。こんなことを言った。
「やっぱりねえ、離婚するのね」
「驚かないんだ」
「何を驚くのよ」
こう僕に返しただけだった。
「わかってたでしょ、こんなの」
「言われてみれば」
その通りだった。この女優についてはだ。
そしてだ。お袋が買って来た今日の夕食の食材を見る。それは。
「ええと、何か前に食べなかった?」
「そうだった?」
「これってさ」
「はじめて作ったけれど」
一応こう言うがだった。そのメニューはマトンを炒めたものだ。それに海草サラダと玉葱とキャベツのスープだった。この組み合わせもだ。
「お母さんって」
「けれどさ、絶対に前食べたことがあるよ」
「全部?」
「うん、全部」
確かに前あった。それは覚えている。
「この組み合わせだってね」
「そんな筈ないけれど」
「ずっと同じ様なメニューとか?あるんじゃないの?」10
「まさか」
お袋は首を振ってそれは否定した。
「これから作るんだし変えられるけれど」
「別にいいけれどね。このメニューで」
「いいの」
「いいよ。けれどさ、昔の小学四年生とかじゃ食べ物とかもかな
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