暁 〜小説投稿サイト〜
フェアリーテイルの終わり方
五幕 硝子のラビリンス
7幕
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に白い影が躍り出た。

「ユリウスさん!?」

 その男はルドガーと同じ二本の剣でクロノスのレーザーを受け流している。さらにルドガーと同じなのは、男が精霊の力を鎧として纏っている点だった。

「ルドガー、時計を! お前の!」

 ルドガーは慌てたようにホルスターから真鍮の懐中時計を出して男に差し出した。彼はルドガーの時計を持った腕を掴み。

「うおおおおっ!!」

 レーザーを横へ弾き飛ばした。攻撃が当たった空間が丸く〈穴〉を開ける。男はルドガーだけを掴むや、その〈穴〉にルドガーと共に飛び込んだ。

「逃げるが勝ちだぜ!」

 アルヴィンがエルを抱えて〈穴〉へ続いて走った。

「フェイとルルも!」
「「分かってる!」」

 ローエンとエリーゼが〈穴〉に飛び込む。レイアがルルを抱えて走る。
 それに続いてジュードがフェイの手を掴んで〈穴〉へと駆け出す。

(この手、知ってる。湖の底の人とおんなじ。フェイに霊力野(ゲート)をくれた人と――)

 暗い穴に飛び込む。天地四方がぐちゃぐちゃになるような感覚の中で、ジュードの手の力強さだけが確かだった。

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