四話〜提示〜
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早く行きましょ」
と、ある意味《ラフィン・コフィン》よりも恐ろしいアスナの声が、耳元に響いた。
脳裏の映像が、あの《自主規制》へと移り変わっていく。
――ここで、決まる――
不意に、そんな言葉が頭に浮かんだ。
すぐさま俺は口を開こうとした。が、どうにも声が出ない。理由はすぐに思い当たった。いきなり耳元であんな衝撃的な言葉を言われたため、体がショックを受けているのだ。
――うそ……だろ……――
意識が遠のく。もうだめだと、諦めかけたその時、同じく固まっていたティーナが、勢いよくイスから立ち上がった。
「そうですね、行きましょうか……ああ、話し込んでしまったので時間がありません。アスナさん、申し訳ないのですけど、転移結晶を使ってもよろしいでしょうか?」
GJ(グッジョブ)
心からそう思った。
「そうなの?それなら……まあ、しょうがないわね」
少しばかりテンプレのニオイがしたが、アスナは気づかなかったようなのでオッケー。もう引き返せないよう、猛スピードでメッセージのキーを叩いた。
「よし、アルゴにも二十一層に来いって送ったし、行こうか!」
「ええ、行きましょう!」
「な、なんで二人とも急にそんなに元気になってるのよ……」
こうして俺たちは、無事、このさびれたレストランを脱出することに成功したのであった。
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