四話〜提示〜
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逸らし、ぼそっと一言。
「軽く同情しますよ」
その声色で、俺の探究心はきれいさっぱり消え失せた。
「はあ……まあ、いいでしょう。話を戻しましょうか。それとアスナさん、いい加減『カノジョ』に興奮するのはやめにしてくださいませんか?」
途端、アスナの口パクパクが止まる。というより固まる。一拍おいてから、湯気が吹き出しそうなほど顔を真っ赤にして叫んだ。
「こ、ここ、コーフンなんてしてない!してないよ!?べ、別に、カノジョとかキリト君とか、なんにも考ええないし……って、な、何言ってるのよわたし……」
などと一人ノリツッコミに勤しむアスナを尻目に、ティーナはコホンと聞こえるように咳払いをすると、今までになく真剣な顔をこちらに向けてきた。
あー、いよいよ正解発表なんだなー、でもべつに聞きたくないんだけどなー、という心の声が聞こえるが、無論そんなわけにもいかない。その声を、容量ぎりぎりながらも再度タンスの中に収めてから、なおも湧き出す不満感を深呼吸で押さえつけることに成功した俺は、先に注文したエダマメ(らしきもの)の皿を隅に押しやり、頬杖をついた。
「まず、今回私がお呼びした情報屋さんの名前ですが……『トウラ』という方です。『カゲロウ』という通り名で呼ばれていますが、ご存知ですか?」
「……いや、聞いたことないな。アスナは?」
「わ、わたしも知らないわよ!そんな人!」
なぜかお怒り時のトーンで返される。おどおどしつつ「だ、だよな」言い訳をし、頬杖を解除。自然に両手がひざの上へ向かう。
「まあ、そうでしょうね。彼はめったに最前線へは来ませんし、売ってる情報も少し特殊ですから」
「特殊というと?」
と言ったとたん、わずかに彼女、ティーナの頬が持ち上がる。どうやら今回の反応は気に入られたようだ。次いで彼女は、よほど他のプレイヤーには聞かれたくないことなのかずいーっと店内を見回すと、手招きで俺とアスナの耳を一箇所に集め、囁いた。
「……オレンジプレイヤーの情報ですよ」
瞬間、俺の脳内にある種の閃光が走った。
このことだったのだ。ティーナの言った、『カノジョさんに何かあったらいやでしょう?』とは。
「オ、オレンジって……その人、大丈夫なの?ティーナちゃん」
「安全とは言い切れませんが……《圏内》ですし大丈夫でしょう」
と、苦笑混じりの笑顔でティーナは言うが、それだけでこのわずかだが上乗せされた不安は消えるはずもない。
この世界で、俺の知っている情報屋は十人いる。その中で、今回のような《オレンジプレイヤーに関する情報》を扱っているやつはたった二人しかいない。それも、『どこどこでなになにが襲われた』程度のものだ。
なぜ、こんなにも
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