月光校庭のエクスカリバー
第37話
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、一振りの刀となった。
「私のは『擬態の聖剣』。見ての通り形を自在に変えることが出来るからもち運びにはすっごく便利よ。こんな感じにそれぞれ特別な能力があるの」
紫藤が説明してくれたようにこっちは所有者の意のままに形を変えられる。ゼノヴィアの持つモノと違い、こっちは担い手によって運用の仕方が変わってくる。
やはり、元が同じモノだっただけに先の剣と同じものを感じる。
「イリナ・・・わざわざ悪魔に力を教える必要はないだろう」
「交渉の場なんだからある程度の信頼は得ないと。それに教えたところで後れを取るなんてことはないわ」
大した自信だ。その自信は実力からくる自負か、聖剣を持っていると言う驕りか、それとも悪魔と侮っているからか。
まぁ有名な聖剣だ。教えてもらわずとも探せば能力くらい調べがつく。
それに正直な話、名は体を表す。名前だけでおおまかな予測はできる。
だが今気にすべきはそっちじゃない。気にすべきは祐斗だ。
より一層殺気立っていた。一触即発の雰囲気が見るまでもなく漂っている。
最悪を想定して、止めに入る準備はしておいた方がいい。
部長もそれを察したのか、話を進める。
「それで奪われたエクスカリバーとこんな極東の地方都市に何の関係があるのかしら?」
「エクスカリバーは行方知れずの一本を除き、教会にある各陣営にはそれぞれ2本ずつ保管しているのだが、各陣営から一本ずつ盗まれた。そして盗んだ犯人がこの町に逃れたということさ」
フリードが持っていたことからそういうことだとは思っていたが、一本だけではなく三本もあるという事か。
「それで犯人に目星は着いてるのかしら?」
「盗んだのは『神の子を見張る者』だよ」
堕天使に盗まれたとなると、フリードは未だ堕天使の元に居るという事か。
「失態どころではないわね。まぁ奪うとしたら堕天使ぐらいなものね。悪魔は警戒こそすれ所有しようとは思わないもの」
「奪った主な犯人は掴んでいる。グレゴリ幹部のコカビエルだ」
思ってた以上の大物だ。
「コカビエル・・・。大戦から生き残っている堕天使の幹部。聖書にも書かれている人物がでてくるなんてね・・・」
部長もこれは想定外だったようだ。幹部が出てきているということは堕天使全体の行動なのだろうか。それだと相当厄介だ。
政治的に言うならば戦争が再起する可能性がある。
個人的な事で考えても、俺たちをつけ狙っているフリードの後ろにコカビエルが控えていることになる。
「事情は把握したわ。それでそちらの要求は何かしら?私たちとの協力?」
「こちらの依頼―――いや注文は今回のエクスカリバー争奪に悪魔側が介入しないこと。つまり今回の件についてかかわるなと言いに来た」
まぁそんなところだろ
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