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今 逢いに逝くから
加藤譲について
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[9] 最初
ら意外と面白いやつなんだな、譲。見直したぞ。」

「...ありがとうとか言った方がいいのこれ?」

「いやいい。」

「あ、そう?あと僕これから帰るけど」

「本来下校しなきゃいけない時間はとに過ぎてるからな。俺も今日はおとなしく帰ろう。」


譲と話せただけで大きな収穫だろう。あとは後々聞いていけばいい。


「じゃあね」


手をひらひらと振る譲は普通に普通の男子中学生で少し誤解しすぎていたと自負した。


「また明日」


言葉を返すと、譲は少しはにかんだように見えて、
実はあいつは友達がいなくてさみしかったんじゃないだろうか、
と勝手な憶測を立てた。まぁいいのだ。まだヤツの全貌が分かったわけでは決してない。
これからだ。これからもっと追究していくことにしよう。





この時の俺は、これから先の人生を深く譲と関わらせていくことになるとは微塵も思っていなかった。

[9] 最初


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