暁 〜小説投稿サイト〜
モンスターハンター 〜厄災の狩人達〜
陽龍と陰龍

[1/5]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
(―――何だ?ここは…)

暗闇の中一人の男が目を覚ます。

(俺は…一体…?)

その男はアカムトJシリーズ・レジェンド一式を身に纏い、幻夢悲壮刀【黒力白夢】を握り締めていた。

(ああ…そうか…、俺は刀に呑まれちまったのか…。)

男の目の前に広がる血で赤く染まった景色が状況を把握させた。

(情けねぇ…、これじゃあの時と何も変わっちゃいねぇじゃねえか…。)

男は頬に雫を伝わせながら独り言をこぼした。
男がそうは思わずとも体は勝手に動き、目の前の憎き標的を切り刻み続ける。
体の節々が悲鳴をあげ、標的からの攻撃に苦しみながらもなお意思とは別に切り刻み続ける。
もはや刀身が弾かれる感覚すら消えた。男は暗闇の中仰向けになった。







「…どうするハイド、あのロギアってにーちゃん 十七年前のオマエにそっくりだぜ?」

ガイルはロギアを指差しながらハイドに言った。

「…懐かしいな、あの頃の俺は独りよがりで誰にも頼ろうとしなかった。
仲間であり戦友であり、親友でもあったお前にすらな。」

ハイドは遠い日を見る目でロギアの様子を見た。

「お前たち」

ハイドはそこから腕組みをしながらアルフレッドたちに向き直った。

「お前たちは、刀に感情を呑まれただ斬ることだけを繰り返すロボットになったロギアに、
俺たちは仲間だと、心の底から言えるか?」

アルフレッド達は少しうつむいた。

「ヤツは…ロギアは今必要としているものから遠ざかっている。
それが何であるかは、君達自身や俺の言葉から推察できるはずだ。」

ハイドはロギアの方を見やり言う。

「もう一度言う。刀に呑まれ斬ることしか出来ないロギアを
仲間と呼べるか?」

ハイドの声が響いた後、そこかしこから歯軋りの音が聞こえた。
分かっている、そんなことくらい。
しかし仲間とは言えない。よく言った所で所詮は「他人」であった。
各々がジレンマをかかえるその時

「ちょっ、ダイラス!?」

一番にロギアの元へ走ったのはダイラスだった。
ついでアルフレッドも走った。

「ガアアアァァァァァッッッ!!!」

叫びながらなおもネヴィアの体を乱雑に切り刻み続けるロギア。
陰龍がついにロギアに攻撃を命中させ、地面に叩き付けた。

「グハァッ…!」

衝撃が体を貫き、もはや体ももちはしない。

(ここで、終わりか…。)

諦めかけ、潔く全身の力を抜くロギア。
陰龍のトドメと言わんばかりに振りかぶった腕がロギアに向かう。






その腕は鈍い金属音と共に勢いを失った。

(…?どうしたんだ?)

体をおこしたその先にはハンマーの柄と片手剣の盾でネヴィアの腕を止め
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ