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チェッカーズのクリスマスソング
第四章

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第四章

「さっきまで見ていて思ったんだけれどな」
「いいんじゃないか?」
「そうだね」
 まずは髭と色白のヴォーカル二人が頷いた。
「あの二人ならな」
「いい感じの曲になるよ」
「俺も賛成だな」
「俺も」
「僕もかな」
 続いてノッポと細目と弟が賛成した。
「クリスマスって感じでな」
「A面と一緒にいい曲になってね」
「それでいいんじゃないかな」
「どう思う?」
 リーダーは最後に僕に尋ねてきた。七人目でだ。
「それで」
「そうだな。それでいいよ」
 僕もそれで賛成した。あの二人を見てあれしかないと確信していた。丁度その時にだ。リーダーから僕に声をかけてきた形だった。
「あの二人でいこう」
「これで決まりだな。あのカップルだ」
「よし、じゃあ帰って曲作るか」
「そうしよう」
 七人で言い合ってだ。そのうえで部屋に帰った。
 帰る途中にこれまで星空だったのが急に雪になった。
 雪は静かに降ってきて。僕達の周りにもふわふわと舞い降りる。そうしたものを見ながら僕達はついつい笑ってそれでまた話した。
「これこそクリスマスだよな」
「そうだよな」
「雪があってこそだからな」
「それに」
 それにだった。街の灯り、キャンドルを見てだった。
「こういうのがあるからいいんだよな」
「クリスマスってな」
「彼女いてもいなくても」
「彼氏がいてもいなくても」
 それでもだった。このクリスマスの世界があればだ。
「ツリーとキャンドル、それに雪な」
「サンタさんがプレゼントしてくれるからな」
「それだけでも充分だけれどな」
「あえてな」
 あえてだった。それからだった。
「相手がいればそれで幸せになれば」
「最高だよな」
 あの二人を思い出しながらだった。あの二人は知らないだろうけれど僕達に音楽を提供してくれた。そのことに心から感謝していた。


チェッカーズのクリスマスソング   完


                 2010・8・7

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