第6章:女の決意・男の勘違い
第12話:身勝手な連中
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(ロザリーヒル)
マリーSIDE
「あ、もの凄い美女の匂いがする!」
まだ何も言ってないのに、匂いでお母さんの存在を感じ取ろうとするパパ……
色んな意味で凄いなぁ。
「そうよお父さん。この村にお母さんが居るはずよ……ほら、あの塔を夢で見たでしょ。イムルの宿屋で夢見たでしょ」
「本当だ! あの塔は夢で出てきた塔だ! あの最上階にビアンカが居るんだな!?」
言うが早いか、私の事など一瞥もせずロザリーが潜んでいる塔へ走り出すお父さん。
やれやれ、子供ねぇ……
『あやかしの笛』を持っている私が一緒じゃないと、塔の最上階へは行けないのに(笑)
お父さんが困り果てた瞬間を狙って、私が出入り口を出現させてやりましょう。
私ってば救世主ね?
もういい加減ウザかったから、天空の鎧を手に入れて直ぐに、私達はロザリーヒルへとやってきました。
途中、私の正体を知ってしまったリューノを、お父さんが説得してくれたみたいで、以前より姉妹としての関係が深まった様に感じる。結構嬉しい。
そのお礼を込めてではないけど、焦らす事無く妻の事を教えてあげたのだが、その反応に“イラッ”とくるのは何故だろう?
判り切ってた事なのに“イラッ”としてしまうのは何でなんだろう?
おもちゃ屋に向かうガキの様に、我々を残し先行するお父さんを追いかけ、無関係な塔の一階部分に入る。
中ではお父さんが、ドワーフのシスターに叱られていた……と言っても、シスターが勝手に「ここは貴方達の様な者が来るべき場所ではありません。お帰り下さい!」と言ってるだけだけどね。
叱られている対象者は、ガン無視で上階に向かう階段を探してる。
そんな物はここに存在しないのに、地下と一階を行ったり来たりして、この塔の造りを把握しようと勤しんでいる。
普段は何でも出来ちゃう男なのに、今日の姿は滑稽よね!
「あ、この壁の向こうからビアンカの声が微かに聞こえる! くっそぅ……どうやって向こうへ行けば良いんだ!?」
教会の壁に耳を当て、向こう側の様子を覗っているお父さん。
そろそろかしら? 私の出番はこのあたりかしらん?
「ジャカジャ〜ン! さぁ私にお任(ドカッ!!)せ……あれ?」
懐からサントハイムでがめた笛を取り出し、高々と掲げて場を支配しようとしたのだが、マイパピィがドラゴンの杖で教会の壁を破壊し、隠し通路を発見しちゃった。
マジっすか!? 力業っすか!?
マリーSIDE END
(ロザリーヒル)
ウルフSIDE
何を考えたのか、この村に入って早々にマリーがビアンカさんの居場所はここだと明かしてきた。
多分、リュカさんがビアンカさんの気配を感じ取り、ウザくなったからだろうけど、タイミ
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