第6章:女の決意・男の勘違い
第12話:身勝手な連中
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緑も部屋に入って行っちゃった不審者の事より、迫ってくる俺に意識を集中させるべく、こちらに向き直り甲冑でくぐもった声で警告を発してる。
「と、止まれ……これ以上は進ません!」
「あ、いや……俺もね……進むつもりないんだけどね……あ、やばい! スカラ、スカラ!」
だが、時既に遅し……
俺は後続に押される形で緑に激突。
咄嗟にスカラを重ねがけしたのだけど、緑の甲冑に突っ込むのはとても痛い。
しかもそのまま傾れ込む様に室内へと乱入……緑が倒れた所為で俺も一緒に倒れ込む。
勿論後続も!
とっても痛かったがスカラの効果は絶大な様で、なんとか人山から抜け出し体勢を整える。
その際に緑が無事か確認したが、気を失っただけで生きてはいた。
鎧は丈夫だろうけど、甲の中で頭を打ち付けたんだろう……面倒だし今はソッとしておこう。
ウルフSIDE END
(ロザリーヒル)
クリフトSIDE
一体何が起きたのか判らないが、私達は全員で塔の最上階の部屋に乱入しました。
現状で判ってる事は、リュカさんが非常識を振りかざし身勝手な行動をとったため、常識人の私達が彼を追い、凄い勢いで転んでしまった事だ。
自分で言うのもアレだが……控え目な性格の私は、集団の後方より追いかけてたので皆さんが転んでも大人数の下敷きにはなりませんでした。
とは言え、私のすぐ前に居たアリーナ様を救うべく、私が彼女のクッションになる様身体を滑り込ませましたけど……
さて……ダメージも少なかった事ですし、アリーナ様を起こして室内を見渡してみる。
そこには、先頭に居たはずだろうウルフさんが既に体勢を整え立ち上がってました。
流石はリュカさんの一番弟子。どんな状況だろうとも、自分だけは被害を最小限に抑えるんですね。
見慣れぬ緑の甲冑(多分中に人が入ってる)の安否を確認し、ご自慢の彼女2人を人山の中(割と下部の方)から救い出すと、部屋の隅に居る人物に軽い口調で話しかける。
「あ、どうも〜……貴女の友達のビアンカさんの知り合いです。怪しくないですよ〜」
長く淡いルビー色の髪をした美しいエルフが、脅えた表情でこちらを覗っている。
きっと彼女が、皆さん(イムルで夢を見た人達)が言ってたロザリーさんなのだろう。
一瞬だがロザリーさんに目を奪われていたのだが、彼女の対角にある部屋の隅から“ギシギシ”と軋む様な音が聞こえてそちらに視線を向ける。
そこには天蓋付きのベッドが一つ……アリーナ様の部屋にあるのと似た様なタイプで、かなり大きいベッドだ。
そのベッドの上では、紫のターバンを巻いた人物が誰かを抱きしめ蠢いている。
語る必要はないのだろうが、一応は語っておこう。
紫はリュカさんで、その下で悶えてるのが奥さんだろう。
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