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問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜無形物を統べるもの〜
短編 湖札とウロボロス、出会いの物語 A
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「・・・殿下、成功したみたいだよ。」
「そうか。まったく、どこかでやってる召喚に便乗するなんて、よく思い付いたな。」
「考えるくらいなら、軍師ならできて当然だよ。むしろ凄いのは、そんな無茶ぶりを可能にしてくれたアウラさんと・・・」
「マクスウェル、か。やっぱり、あれでも魔王なんだな。」
「だね。あの人には後ろに控えてもらってるから、邪魔はしてこない・・・はず。」
「勧誘の邪魔さえしなければいいさ。人間の召喚に便乗して、その人間のいた世界に魔王がいるなんて、こんな偶然は何がなんでもものにするぞ。」
「うんっ!」
そして、二人は黒いグリフォンを連れて、召喚予定の場所に向かった。
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天逆海を追って入った謎の穴を抜けた先には、ただひたすらになにもない場所が広がっていた。
「ここ・・・どこ・・・?」
湖札は、世界中を回ったのに見たことのない場所が広がっていることに動揺を隠せないでいた。
が、ズルズル、というなにかを引きずるような音で、それどころではないと思い出した。
「そうだ、天逆海。・・・いた。」
そして、逃げようとしている天逆海のそばに行き、村正を振り上げ、断末魔さえあげることを許さず、その命を奪い、魂を自分のなかに封印する。
そしてその瞬間、神を自らの手で葬り、封印したことで、奥義神成りが発動し・・・カチリ、という封印の解ける音が、湖札の中から何度も、何度もなり、記憶が、よみがえった。
そこには、黄金の弓を引き、言葉で表すことのできないなにかと戦う、自分がいた。
少し遡り、女神と契約を交わす、自分がいた。
少し遡り、言葉で表すことのできないなにかと戦う兄と、その兄に守られる自分がいた。
少し遡り、泣きじゃくって座り込む、小学校に入る前の自分と、そこにてをさしのべる兄の姿があった。
「私・・・贄殿、湖札、です・・・」
それは明らかに、初対面同士の挨拶だった。
《え、うそ・・・でも、私にも檻が・・・》
湖札は必死にその事実を否定しようとするが、より鮮明な記憶がよみがえってきて、そんな湖札を嘲笑う。
別に、檻は本家の人間でなければ持たないのではない。
鬼道の血族なら、分家であっても、檻を持つし、その檻は封印されていない。
そして、記憶の中の湖札が名乗っていたのは・・・紛れもない、分家の一つの名だ。
湖札は、その場に頭を抱えて座り込んだ。
《じゃあ――――ダメ――――私は――――ダメ!――――》
湖札は、認めたくない真実と、それを認めざるを得ない状況に、混乱していき・・・
《お兄ちゃんの――――ダメ!!――――妹じゃ――――ダメ!!!――――ない?》
そ
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