第二章
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「それまでは賑やかにね」
「騒ぐんだな、飲むのは夜で」
「皆お泊まりするから相当飲むわよ」
「どうなるんだよ、一体」
「だから騒がしくなるわよ、総勢四十人近くでね」
俺の家族も入れるとそれだけの数になる。
「もう凄いのになるから」
「法事みたいだな」
「そのままよ、今日は」
元旦に行う法事、そう考えろというのだ。法事ということなら俺もよく知っている、坊さんの家の息子だからだ。
「もうね」
「そうか、じゃあな」
「すき焼き食べるわよね」
「叔父さん叔母さんのガキって皆騒がしいけれどな」
つまり従兄弟連中はだ、どいつもこいつも男も女も本当に騒がしい。屑だのブスだのがいないのはいいことだが。
「悪い奴いないしな」
「従兄弟仲いいからね、お父さんのところ」
「兄弟仲いいよな、祖父ちゃん祖母ちゃんがいいから」
実はそっちも寺だ、寺同士の結婚もよくあることだ。向こうの寺は親父の兄さんが継いでいる。ただその叔父さんも親父も宗派がそうなので坊主にはしていない、勿論俺も将来髪の毛を剃るつもりは全くなかったりする。
「やっぱり」
「そうなのよね、いいことよね」
「だよな、宗派も同じで」
「それでよ」
お袋はまた俺に問うてきた。
「あんた今日は」
「寝正月が無理ならな」
それならだった、俺の選択は。
「遊ぶか、従兄弟連中と」
「人生ゲームでもしたら?」
「だよな、ああいうのでな」
遊ぼうと思った、外に出るのは寒いから嫌だった。寝正月にしようと思ったのも寒いからに他ならない。それで外に出るつもりはないので。
俺は従兄弟連中を待って人生ゲームをすることにした、すると暫くして。
「あけましておめでとう」
「今年も宜しく」
早速だった、叔父さん叔母さんが家族で来た、そして。
忽ちまずはそれぞれ持って来た餅を食いはじめた、応対をしている親父が自分の兄弟姉妹家族に笑顔で言っていた。
「すき焼きは晩だからな」
「ああ、じゃあその時まではな」
「お餅食べてね」
「お雑煮にするか」
「お正月だしね」
「般若湯もな」
正月の主役のおとそもだった。
「夜にしようか」
「いやいや、それは昼からでもいいだろ」
「今からでもね」
般若湯についてはだった、叔父さん叔母さんもその奥さんや旦那さんもこう言う。
「お正月だしな」
「泊まりだし」
「ははは、それもそうだよな」
親父も酒好きだ、それならだった。
兄弟姉妹の言葉に逆らわなかった、それでだった。
皆昼から餅で飲みはじめた、そして俺も。
従兄弟姉妹で集まってだ、境内において。
人生ゲームをはじめた、境内は広く寒いがめいめいストーブを持って来てその幾つものストーブで暖まりながらゲームをした、勿論酒もある。
その酒
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