第三章
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第三章
「そうさせてもらうわ」
「有り難う」
「それに」
彼女はさらに言ってきた。
「私も貴方をね」
「僕をなんだね」
「生きる証にするわ」
そうすると言ってくれた。
「ずっとね」
「そうしてくれるんだ」
「だからずっと一緒にいましょう」
僕に顔を戻してきて。そうして話してきた。
「ずっとね。生きている限り」
「うん」
僕が言った言葉をここでも返してくれてだった。僕もその言葉に頷いた。
そして。お互いに顔を見て微笑んで。また僕が言った。
「それじゃあこれからだけれど」
「今日のこと?」
「うん、何をしようか」
こう彼女に言った。
「何をする?それで」
「一緒にいましょう」
彼女は微笑んで答えてくれた。
「今日一日。いえ、ずっとだけれど」
「ずっとだけれどね」
「一緒にいましょう」
また言ってくれた彼女だった。
「それでどうかしら」
「そうだね」
僕は彼女のその言葉に頷いた。そうしてだった。
「じゃあ今日は」
「一緒にね」
「うん。じゃあ帰ろう」
僕も微笑んでだ。彼女に話した。
「今からね」
「ええ、お部屋で」
「まずは朝御飯を食べよう」
考えてみれば御飯がまだだった。お腹が空いてきた。
「それからだね」
「じゃあトーストを焼いて」
「うん」
「目玉焼きに昨日のサラダの残りと」
「それと飲み物は何がいいかな」
「ホットミルクにしましょう」
彼女の提案だった。僕も彼女も好きなものだ。
「それにね。しましょう」
「ホットミルクね」
「ええ、それでいいわよね」
「うん、いいよ」
僕も笑顔で彼女の言葉に頷いた。そうしてだった。
二人で部屋に戻ってまずは朝御飯を食べた。それからだった。
僕達の時間がはじまった。その二人の時間がだ。はじまったのだった。
夜明けのブレス 完
2010・10・5
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