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もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?
もしもチートプレシア外伝 アルハザード調査記録
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だけ。違う?」
ジュエルシードは発動者の意思に呼応し、発動者を変異させる。発動者たるアリシアが居なければ、アリシアは復活しえない。死者の蘇生に死んだ者の意思を必要とするなど馬鹿げている。意思が無くなったから、死者は死者なのだ。
残滓プレシアの言葉に、プレシアはあっさりと頷いた。
「その通りよ。どう?これでもまだ、アリシアを復活させるためにアルハザードに行きたい?」
「嫌な女ね・・・分かってるくせに、虫唾が走るわ。何か口調もちょっと若作りしてるし」
「何よシッツレーな女ね。親の顔が見てみたいわ」
「アンタの母親よ」
憎まれ口のたたき合いが終わり、空間に沈黙が訪れた。
やがて間を置き、残滓で構成された『時の庭園』が、少しずつ崩れ始める。それは本当に緩やかで、まるで少しずつ意識の薄れる人間の心情を現しているようだった。
この空間はプレシアの強い執念によって形成された場所。それが崩れるのは、彼女自身の執念が失われているからに他ならない。
ふぅ、と溜息を一つ床に転がして目を閉じた残滓プレシアは、少しして目を開き、未だこの場に残ったままのプレシアとリニスをどこか呆れた様に横目で見やった。
「よくもまぁ人の目の前で最後の希望を打ち砕けたものね。アンタだって私なら分かるでしょう?私がどれだけアリシアを望んだか・・・」
「知ってたわ。でも絶対叶わない事も知ってた」
「最期まで、夢を見させてくれたってよかったのに・・・」
最後まで信じていたかった。アリシアはいつかきっと生き返る。私に「お母さん」ではなく「ママ」って笑いかけてくれる。一緒にご飯を食べて、遊んで、勉強を教えて、お風呂に入れてあげて―――それだけを頼りに病魔に侵された肉体を無理やり動かし続けてきた。
無駄だから諦めろ、の一言なら突っぱねた。感情論なら無視出来た。
でもやはり相手は自分だけのことはある。永遠の命題、死者の復活が可能かどうかには触れず、今のやり方では絶対に辿り着けない事を的確に突き崩された。
もうこれ以上、ズタボロの身体を引きずって前へ進むほどの精力は残されていない。
力なく手に持っていた杖型デバイスを地面に落とした。かしゃん、と音を立てて落ちた杖はそのまま黒い断片となって虚空に融ける。
そんな哀れな残滓に、プレシアは憐みむように目を細めた。
「貴方のそれは・・・夢は夢でも悪夢なのよ。どれだけ希望を抱こうが、どれだけ必死に足掻こうが・・・決して結果が伴うことはない。希望を抱いて進めば進むほど足場は崩れ、進めど進めど現実へ引きずり戻される奈落の蟻地獄・・・」
「知ってたわ。それでも信じたかった」
「最期まで、貴方はフェイトを認められなかったのね・・・」
残滓プレシアの目元から一筋の水滴が流れ落ちた。浮かべる笑みは自嘲か、そ
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