暁 〜小説投稿サイト〜
Element Magic Trinity
強く歩け
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「どうしてここにいるのかしら?評議院の一員として、私を逮捕にでも来たの?」
「残念ながら、そうじゃねぇんだよなァ」

ククッと笑い―――――歪む。
悪人にも見える、歪んだ笑みを。

「これァ俺個人の『興味』さ。妹と同じで、自分の興味を持ったものにはとことん忠実なんだよなァ。ま、それ以外にゃ見向きもしねぇがな」

髪をかきあげ、ズボンのポケットに手を突っ込む。

「オメーが何者か、とかにゃ興味ねぇ。つーか、知る価値もねぇ」
「じゃあ、一体何に興味があるの?」

ウルティアが警戒するようにクロノを睨む。
その睨みをものともせず、クロノはただ笑うだけ。

「・・・別に、興味なんざねーさ。何にもな」
「は?」

まさかの答えに目を見開く。

「ただよォ・・・ずいぶん楽しそうな事してんなぁ、と思ったのさ」

クロノが背を向ける。
そして、笑った。
ウルティアからは見えない、歪んだ笑みを。

「ま・・・せいぜい自由にやってくれよ」
「あなた、検束魔導士でしょ?罪人を放っておいたなんて知られたら終わりよ?」
「生憎、俺ァ仕事より興味を優先する人間なんでな」

その姿が、透き通って消えていく。
バスルームには、ウルティアだけが残った。












「なぁに・・・罪人だろうが何だろうが構わねーさ」

瞬間移動系の魔法を使ったクロノは、ウルティアのいる家とは別の家の屋根の上にいた。
その右掌を見つめ、口角を上げる。

「俺の暇潰しにさえ、なってくれりゃあよォ・・・」
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