強く歩け
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はならない!」
そして、叫んだ。
「愛した友の事を、生涯忘れてはならない!」
その言葉を聞いたショウ達の目から、涙が溢れる。
「妖精の尻尾式壮行会!始めェ!」
旗のついた槍を掲げ、エルザが宣言する。
その瞬間、近くに隠れていたナツ達が姿を現した。
「お前らー!また会おーなーっ!」
そう言うと、ナツは頬を膨らませ、もごもごと動かす。
そして、ポンポンと小さな火の玉を夜空に向かって放った。
「心に咲けよ!光の華!」
その火の玉は空で花火となり、暗い夜空に綺麗に花を咲かせた。
そして当然・・・花火を上げるのはナツだけではない。
「花火・・・って呼んでいいのか解らないけど」
空に掌を向けるティア。
その右手に魔法陣が展開し、水の玉が飛び、小さい花火として咲いた。
「氷もあるんだぜ」
グレイは造形魔法を駆使し、氷の花火を打ち上げる。
「んじゃあ俺は・・・砂か!火だとナツと被るし」
アルカは真っ赤な髪を揺らし、肘を曲げた状態で挙げた右手から砂を勢いよく打ち上げる。
枝垂桜を思わせる砂の花火が上がった。
「じゃああたしは星霊バージョン」
ルーシィが星霊の鍵をかざすと、その先から魔力が放たれる。
そして、星の様に煌めく花火が打ちあがった。
「よぉし!僕もいっくよぉー!」
ルーが左手を向けると、そこから風が巻き起こる。
小さい竜巻のような風の中央から風の花火が打ち上げられ、空に咲いた。
打ち上げられる様々な花火を、ショウ達は笑い、涙を流しながら見ている。
「私だって本当は、お前達とずっといたいと思っている。だが・・・それがお前達の足枷になるのなら・・・この旅立ちを私は祝福したい」
「逆だよぉぉ、エルちゃぁぁん」
「俺達がいたら、エルザは辛い事ばかり思い出しちまう」
エルザの言葉に、ウォーリーとミリアーナは涙を流す。
「どこにいようと、お前達の事を忘れはしない」
エルザも涙を流しながら、言葉を続ける。
「そして、辛い思い出は明日へと糧となり、私達を強くする。誰もがそうだ。人間にはそう出来る力がある」
そう言って、更にギルドの紋章の旗を空に掲げる。
「強く歩け。私も強く歩き続ける」
涙が溢れる。
悲しみ、嬉しさ・・・様々な感情が混ざった涙が。
「この日を忘れなければまた会える。元気でな」
更に花火が上がる。
夜空を綺麗に彩り続ける。
「姉さんこそ・・・」
「バイバイ、エルちゃーん」
「ゼッタイまた会おうゼ!約束だゼ!」
「約束だ」
再会を約束し、3人は出航していった。
美しい花
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