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カンピオーネ!5人”の”神殺し
ルリム・シャイコースとの戦い U
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けなら私がそっちに転移しても問題なしかな。じゃあ、その子を安全な場所まで運ぶよ。』

 
「あ・・・!?」

 何かを言う暇も無かった。気がつけば、彼女は後ろから誰かに抱きしめられていた。フワリ、と柑橘系のいい香りが漂い、彼女を包み込む。その柔らかさと腕の細さから見て、恐らく女性だろう、と彼女が考えた時には、全てが遅かった。


「っ・・・!やっぱりキツイな・・・!」

 
 状況についていけない祐里が、焦って首をひねり後ろを見ると、そこにはサングラスをかけた美少女が、その端正な顔を不快感で歪ませていた。

「貴方は・・・!?」

 その人間を、彼女はよく知っている。今や、裏の世界で知らないものはいない程の有名人。日本が【魔界】などと呼ばれる原因となったうちの一人。今もなお、様々な問題を引き起こしては世界を震撼させる、【伊織魔殺商会】の総帥!!!

「聖ま―――

「じゃ、この子は船に連れて行くから。やっぱり、私じゃ手助けはできなさそう。・・・頑張って、護堂君。」

 よほど急いでいるのだろう。祐里の言葉を遮った鈴蘭は、護堂の返事すら聞かずに転移した。

 実は、先日の偵察時に受けた狂気の権能によって、彼女はこの権能の効果を受けやすくなっていた。この権能によって罅が入った精神は、そう簡単には修復出来ない。ドクターとリッチに治療してもらったとは言え、まだまだ完全復活には時間を要する筈だったのだ。
 それを、たった数日しか開けずにまたこの権能に晒されたせいで、傷口がまたもや開いた状態へと陥っていた彼女は、精神的にかなり余裕が無かった。

 それが直感的に分かっていた護堂も、文句など言わなかった。彼としては、名前も聞いていないあの女の子が安全な場所に運ばれるのなら、それでいいと思っていた。
 ・・・だから、これで心置きなくルリム・シャイコースと戦えると身構えた彼には、想像も出来なかった。
 ・・・その、無線機から聞こえる叫び声を。

『う、アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!?』

『ど、どうしたの!?・・・なにこれ!?』

 何かに驚いたとか、そういう声では断じてない。耐え難い痛みと絶望を含んだ叫び声。なぜだ!?と彼が思うよりも早く、鈴蘭の焦った声が響く。

『どうなってんの!?焼けてる・・・違う!身体が溶け出してる!!!』

「鈴蘭さん!鈴蘭さん!!!どうなってるんですか!?」

『わ、分からない!回復の魔術を使ってもらってるけど、それじゃ追いつかない!なにこれ!?ドクター!リッチさん!神の雫(エリクシール)持ってきて!早く!!!』

『あ、アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!?』

『鈴蘭、その娘は身体が作り替えられとる!早く元の場所に戻すんじ
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