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錆びた蒼い機械甲冑
[:退治する“大樹”と『暴帝』
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あっ!!」
「バッ…待て!」


 機械騎士の右手に居たシミター使いが、此処まででよく見てきた光をシミターに纏い突っ込んでくる。
 余りにも単調なそれを難なく避けて突かによる一撃を見舞い、騎士は正面の者達を見やった。


(サテ……此方ニハ殺ス理由ガ無イ……適当ニアシラッテゴ退場願ウカ)


 如何出るかまずは様子を見ようと、彼等動きを見、会話を聞く。どうやら自分は噂になっているらしく、蒼錆色の機械騎士という名前が上がった途端に皆一様に驚愕の顔をする。随分目立ち過ぎたと後悔しながら、騎士はまず最初に向かってきた者達に蹴りを浴びせて距離を取り――――


「オオオオオオォォォォォォォオオオオオ!!!!」



 咆哮を発した。














アレからもう数十分は経っただろうか。


 一進一退とは言い難い、ほぼ一方的な攻防は、人をかえながら続いている。黒コートの男は確かに強かったが、騎士と比べると力の差があり、余りいい展開にはなっていない。

 だが、彼等は諦める事無く機械騎士へと突貫しては、軽く避けられて吹き飛ばされる。騎士は、どうやったらこの状況を変えられるだろうかと、取り出したクリスタルを砕いたり、カウンターに徹しながら考える。しかし如何策を弄そうとも、如何恐怖を与えようとも彼等は引こうとしない。
 いっそ、一人二人斬り捨ててやれば……浮かんだその考えを即座に否定し、再び構えなおす。

 
 すると、彼等は何か大声を上げた。次いで他の者達が扉から脱出していくの目に入り、騎士は怪訝に思う。何故今になって、撤退などするのだろうか。


 そんな考えを余所に、一人の人物が前へと進みでる。それは、この集団の中で抜きんでている実力を持った、あの黒コートの男だった。


「皆! あの機械甲冑は俺が引きつける! その間に後ろの扉から脱出しろ!」
「何っ!? キリト君!?」
「幾らお前でも無茶だキリト!」
「ソレに忘れたのかおどれは!? おどれはもう十数回もメカ鎧にあしらわれとるんやで!?」
「キリト君!私も―――」


 後ろから数人が声を掛けているのを見る辺り、どうやら意見を無視して無理やり殿をかって出た様だ。
 尤も、そんな事をせずとも騎士にはもう……否、最初から手を出す気など無いのだが、そんな事は彼等が知る由もない。


「うおおおぉぉぉ!!」
(ショウガナイ……後ガ去ルマデ、付キ合ッテヤルカ)


 また同じことの繰り返しになるだろうと、やってきた攻撃を弾き、次いで拳を打ち込む。しかしそれは、身体を捻る事によってかわされ、黒コートの彼はそのまま距離を取る。
 今までとは明らかに違う動きに若干驚く騎士だったが、
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