夏の一夜
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そう笑顔で答えて、この話は終わった。
そのあとはチューハイを飲み終わり、いろんなことを話した。彼女が聞き役で、僕が話役だ。
とても聞き役がうまく余計なことまで喋ってしまったが、文句ひとつなく聞いてくれた。
空が薄い青を帯びるとき、彼女のほうから切り出してきた。
「今日はありがとうございました。そろそろ、お開きにしましょう。」
「こちらこそ。とても楽しかったよ。」
残念な気持ちと満足感。二つが溶け合い、絶妙な感覚だった。
そのあと彼女と別れ、家に帰りそのままベットに入る。起きたのは昼頃だった。
シャワーを浴びてご飯を食べる。日常に舞い戻ったようだ。
ふと……彼女の名前を思い出した。
PCを立ち上げ、名前を打ち込む。検索にかけた一番上のニュース欄。
『殺人事件犯人、ついに逮捕。被害者、新林奈津美を殺した動機は?』
数分間頭がフリーズ。その後混乱した。
少し落ち着き、ゆっくりと震える指で調べると事件発生はこの夏の7月末。場所は神社だそうだ。
不思議と恐怖ではなく、悲しみが溢れた。彼女を見ることはもうないのだろう。直感的にわかった。
彼女の笑顔が頭に焼き付いていた。
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