夏の一夜
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興味があった。変な意味であろうとなかろうとこれだけ可愛い子と一晩一緒に遊べるのは楽しそうだ……と感じた。
「いいよ。」
そういうととても嬉しそうな顔でお礼を言ってくれる。
「何か、したいこととか食べたいものとかある?」
と尋ねる。この子が何をしたいのか、全然わからなかったためだ。
少し間をあけてから
「……お寿司が食べたいです。ダメですか?」
その後、時間を確認すると時間は夜1時だった。寿司屋は当然空いてないためコンビニで良いかと聞くと嬉しそうに了承してくれた。
それとお金が全くないことを申し訳なさそうに話していたが、僕がおごることにした。
ここで会うのも何かの縁だし、いくら金がない学生といっても数百円をケチるほどギリギリでもない。
そのあと、さっき酒を買いに行こうとしたコンビニに着く。二人で店内に入ると、人は殆どおらず、立ち読みしているおっさんと気が抜けている店員だけだ。
二人で食べものを見回し、寿司と唐揚げ、それと缶チューハイを数本買った。彼女も飲めるらしいので彼女の分も含めてだ。
会計の時に箸を頼み、千円ちょいの値段を払って店を出る。
そのあとは適当な公園かどこかで食べようと思い、彼女にも聞いてみたところ
「さっきの神社なんてどうです?」
と色気も何もない場所が返ってきたが、そこ以外にいい場所がなさそうなのも事実なのでそこにした。
「じゃあ、食べようか……あれ??」
袋を開けて確認すると、箸が一膳しか入っていない。やる気のない店員を思い出し、すこしイラッときたが、今から戻るのも面倒だ。
彼女が遠慮しそうな雰囲気だったので、先にこちらが言う。
「はい、使っていいよ。」
「え?でも……」
「良いから良いから。」
そういって無理やり箸を押し付け、僕はチューハイのタブをあけて喉に流し込む。強めの炭酸とブドウの香りが心地よかった。
彼女も渋々だったが箸を持ち、お寿司を口に運ぶ。笑顔になりながら頬張っていく姿はとても微笑ましかった。
そのあと、唐揚げとお寿司を二人で食べ終わる。途中警察が来て、不審者と勘違いされかけたが、早く帰れと文句を言われただけで終わった。
そうして最後の2本のチューハイを手にもち、二人同時にあける。
彼女はピーチで俺はレモンだ。
飲みながら、ずっと気になってたことを聞く。
「ねえ?最初の質問の答え、聞いていいかな?」
そう聞くと彼女は少し寂しそうに答えた。
「……新林奈津美。」
少し考えた後、「君の名前かい?」と聞くと戸惑った後、頷いた。
「今日が終わった後、調べてくれたらきっとわかります。だから今だけは楽しみましょう。」
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