混沌のプライド
第12話
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んよ。立ち会いは僕、鍛冶師ファングがさせて貰います」
魔剣のオーダーを受ける際に名乗っている偽名を告げると殆どの人が目を見開いて驚いている。分かっていないのは部長と副部長とイッセー君だけですね。僕、基本的に依頼は受けても届けるのはそれ専門の個人業者に頼んでますから顔を見せる事が有りませんでしたから。依頼の方法も専用の書類にスペックをかき込んで魔力を通すと自動で僕の工房に転移する様になってますし。サーゼクス様達魔王樣方には直々に持って来る様にと言われているので直接配達していますけど。
あと、偽名を名乗ったのにはもう一つ訳が有ります。今ここに居る僕はリアス・グレモリーの眷属である木場祐斗ではなく、サーゼクス・ルシファー様お抱えの鍛冶師という宣言の為です。こういった事をちゃんとしておかないと、後々面倒な事があるのが社会という物ですから。
「周囲への被害は僕の方で食い止めますので。思う存分、納得がいくまで戦って下さい。このコインが合図です」
イッセー君とライザー様に見える様にコインを見せて、それを弾き上げる。弾き上げられたコインが重力に引かれ、速度を落とした所でイッセー君とライザー様以外の魔力の高まりを感じ、実体以外を切る剣ルーンセイヴを産み出してコインを狙った部長の魔力弾を切り捨てる。
「なっ!?」
「さあ、始まりますよ。あの日の続きが」
会場中に聞こえる様に部長の方を向いて笑顔で宣言する。たぶん、部長に向ける今の僕の笑顔は歪んでいるでしょうね。自分でも分かります。聖職者としては最低だと思いますが、悪魔としては良いと思っている自分がいるのもまた事実ですから。
コインが床に落ちると同時に二人が動き出す。
「鎧化!!」
イッセー君が改造した魔力貯蔵用の魔剣を背後の床に突き刺し鎧の魔剣の呪文を唱えて鎧を纏う。それは間違いではないのですがベストな答えではないんですよね。まさかあの剣をライザー様が持っているとは思っていませんでしたから。
ライザー様が2本の剣を一本の剣の様に両手で握り、イッセー君に斬り掛かる。イッセー君はそれを右肩で受け止めて
「があああああああ!?」
鎧の右肩の部分が砕けて、左肩を軽く斬られただけにしては異常な程の叫び声をあげて後ろに下がる。
「鎧砕きと兵士殺し、そこに居る鍛冶師ファングの実験作の二振りだ。父上のコレクションから勝手に持ち出させてもらったが、正解だったようだな」
2年前程前に開発した物理的魔術的防御を無効化する鎧砕きと悪魔の駒の兵士を持つ者に対して聖剣で斬られたかの様なダメージを与える兵士殺しを、その性能を知る為に市場に流していたのですが、何処からもそんな噂は聞こえて来なかったので何処かで在庫になっている
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