第百四十七話 死闘のはじまりその八
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「戦わせて下さいませ」
「ではな。しかしじゃ」
「今はですか」
「まずは軍議を開く」
それからだというのだ、長島攻めは。
「この城の中でな」
「はい、さすれば」
「ではすぐに主な将を集めよ」
信長は続けて指示を出した。
「それでよいな」
「はい、それでは」
「今から」
周りにいる者達も応える、こうしてだった。
信長は城内の主の間に諸将を集めた、そしてそこで具足と陣羽織の姿のままで共にいる彼等にこう言ったのである。
「まずはこの城もそこにいる者達も守った」
「しかしですな」
「うむ、これで満足してはならぬ」
こう平手に応えて言うのだ。
「むしろこれからじゃ」
「では今より」
「この城からさらに攻める」
長島、そこをだというのだ。
「わかったな」
「しかし殿」
平手は信長の考えがわかっていた、そのうえで主に言ったのである。
「この古木江城では長島を攻めるには小さいかと」
「兵も入りきらぬしな」
「左様です、ですからここは」
「わかっておる、清洲じゃ」
織田家のかつての拠点、今でも尾張の本城であるこの城の名を挙げた。
「あの城を使う」
「あそこを足がかりにされますな」
「うむ」
まさにその通りだというのだ。
「そうするからな」
「さすれば」
「あの城ならば長島攻めに足る兵糧や武具を集められるしな」
「既にあります」
「だからじゃ、あそこを使う」
まずは、というのだ。
「そしてさらにじゃ」
「伊勢全体をですな」
「平定する」
長島だけでなくだ、伊勢全体の本願寺の門徒達を鎮圧するというのだ。信長はここで伊勢全体を収めるつもりなのだ。
それでだ、今もこう言うのだ。
「それまで伊勢から離れぬぞ」
「ではかなり大掛かりな戦になりますな」
池田が信長の言葉に応え鋭い顔で言って来た。
「まさに」
「そのことはもうわかっておろう」
「はい」
その通りだとだ、池田も答える。
「そのことは」
「ならばわかるな、近江や越前も気になるがな」
それでもだというのだ。
「今は伊勢じゃ」
「まずはこの国をですか」
「完全に収めてからですか」
「それから何とかする」
こう言ってだ、そしてだった。
信長は次の日には軍を城から出し長島に向けた、その前に城を囲んでいたあの本願寺の軍勢がいた。
その彼等を見てだ、信長は皆に命じた。
「まずはじゃ」
「はい、あの者達をですな」
「最初にですな」
「叩く」
そうするというのだ。
「どちらにしても長島攻めの時に邪魔になるからな」
「ではここはどうされますか」
黒田が信長に問うた、策はどうするかというのだ。
「このまま攻められますか」
「正面からは攻めぬ」
それはしないというの
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